1003gozendake of 鈴鹿・美濃の山歩き

P3281854.JPG御前岳

2010年3月28日(日)曇り後雪、時々晴れ 御前岳 飛騨 山スキー
OSK10名、RZ2名、Tsutomu 

6:00 白弓スキー場 → 7:45 尾根上 → 9:30 P1735 →
10:45 P1734 → 12:05~12:55 御前岳山頂 →
15:00 P1735 → 15:45 白弓スキー場



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ゲレンデの雪がかなり少なくなった白弓スキー場を登っていく。

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好き上上部からは沢筋の急登。スキーで登るのは中々辛かった。

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主稜線に出ると素敵な樹林帯が出迎えてくれた。

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広い稜線上は楽しい雪上散歩。ただ天候が…

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三ノ谷を徒渉して最後の急登。

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山頂はガスの中。それでも十分な達成感。

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下る頃に少しガスが晴れてきた。

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スキー組はシールを外して気持ち良くツリーラン。

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晴れ間が出てきて樹林帯の表情が変わった。

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稜線上の滑りも樹林を塗って滑って中々楽しい。

 夜があけ空が白むと対岸に壁のような尾根が浮かぶ。本日取り付く尾根だ。いかにも大きい。地形図を見るとかなり等高線が混んでいる。この尾根に本当に登れるのか。

 前夜、宴会で盛り上がった平瀬、道の駅を後にして白弓スキー場に向かう。今回のリーダー、OSKのGさんが選んだルートはこのスキー場から取り付くというもの。スキー場上部からはかなりの急斜面のようだ。
 既に営業を終了しているゲレンデは右手側にわずかに雪を残すのみで地面がのぞいている。まずはわずかな雪をつないでゲレンデを登っていく。
 今回はOSKの山行には珍しくスキー組とワカン組のコラボだ(ワカンを使う場面はなかったようだが)。スキー組は足が速いだろうとワカン組が先を急ぐ。しかし、健脚ぞろいでスキー組は中々追いつけない。その中でなんとかスキーの面目を保とうと必死にスキーを滑らせる。徐々に斜度を増す斜面に少々手こずりながらもなんとかトップでスキー場上部に辿り着く。これで面目は保たれただろうか。
 スキー場上部からは谷に入る。地形図ではかなり急な印象だが見る限りスキーで行けそう。他の方はここでスキーを担いだが行けるとこまで行きますとワカン組に続いた。
 狭い沢で細かくキックターンをしながら登っていく。雪は適度にしまっている状態で流石にこういう状況ではつぼ足に勝てない。
 沢は上部に至るとかなりの傾斜となる。最後の数メートルは雪の壁という感じだ。シールが剥がれてきたのを直そうと板を脱いだついでにそのままつぼ足でその壁を登った。「時間をかければスキーのまま登れると思うんですけどやめておきました」って言ったのは強がりで本当はとても登れそうにないなと思っていた。しかし、スキーを履いたら最後まで脱ぎたくないと思っていたのにこんなに早々と脱いで登る事になるとは残念。
 尾根に登ると素敵なブナ林が広がる。「いい樹林帯ですねえ」というと「そうでしょう」とリーダーのGさんはとても嬉しそうだった。
 ブナ林の尾根筋を登っていく。地形図を見てなだらかだろうと思っていたがどうして結構な斜面だ。つぼ足なら直登で余裕だがスキーでは直登はちょっと辛くジグザグに登っていく。
 やがて斜面が緩くなってくると広々とした平に出る。ここもブナが見事だ。
 この先少し尾根が細くなるが左右の樹林帯はいい感じで続く。右手には遥か下に荘川の流れが見える。その様子からかなりの高さまで登った事がわかる。
 再び尾根が広くなると岳神庭(だと思う)やシラビソが姿を見せ始め、それまでの樹林と雰囲気が一挙に変わった。中には幹が絡まったような変わった木もあり目を楽しませてくれる。
 シラビソの中を進んでいくといかにも雪の高山にきたという感じだ。ここのシラビソは樹間が広く歩くのに邪魔にならない。斜面をスキーで滑り降りても苦にならなかった。
 シラビソの森で稜線は左手に90°曲がっていく。やがてシラビソがまばらになってくると稜線が落ち込んでいるらしく見えるところに出る。
 「らしく見えるところ」と書いたのは実は先ほどまでいい空模様だったのだがここに至ってガスが出てきて前方がホワイトアウト状態になってしまったからだ。エイヤ!と斜面に飛び込むと前後左右がわからずまるで宇宙遊泳をしている感じだった(もちろん宇宙遊泳なんてしたことないが)。一緒に滑ったKさんが「酔った感じやなあ」と言っていた。
 更に進むと再び広々とした尾根となる。ここはまた樹相が変わってブナが見え始める。癒される気持ちのよい樹林帯だ。この辺りでゆっくり休憩して雪上散歩をしても楽しいだろう。しかし今はまだ先が遠くゆっくりしていられない。
 お一方がかなり遅れているらしい。しばらく待ったが現れない。結局、遅れている方を待つ為にお一人残っていただいて後のメンバーは先に進む事にした。後でわかった事だが遅れていた方は身体の調子が悪く途中で引き返したそうだ。
 幅の広い尾根は緩やかに下っていく。その尾根の右側半分にガスがかかり左側は晴れて不思議な感じを醸し出している。面白い風景だ。
 再び登りになるとP1734に着く。ここからはこれから進んでいく御前岳が樹間に見えるはずだが今は濃いガスに邪魔され方角さえ定かでない。Oさんが先ほどからしきりにGPSを見ながら進行方向を見定めている。今はそれが頼りだ。
 P1734からは急な尾根を最低鞍部に向かって下っていく。シールでの滑降だったが昨晩積もったらしい雪の状態がいいせいか苦にならなかった。
 鞍部から三ノ谷に向かって下りていく。上から見ると三ノ谷は雪割れしており徒渉できるのか危ぶまれたがいざ沢に降りるとスノーブリッジがあり難なく渡る事ができた。
 さてここからは300メートル程の登り返しだ。終盤になってのこの登り返しは結構辛いがここを登らなければ御前岳には辿り着けない。
 雪質がいいせいかシールがよく利く。順調に直登できてしんどいながらも何とか登りきる事ができた。この斜面は木がまばらで適度な距離と斜度があり帰りの滑降が楽しみだ。
 斜面を登りきると御前岳の前山とも言うべきピークに出る。ここから御前岳のピークが見えるはずだが完全にガスの向こうだ。ここからガスの中の緩い鞍部を越えるとすぐに御前岳に着いた。
 初めての御前岳は風が強く雪も舞っていた。晴れていればさぞかし展望がいいのだろうが本日はそれを望むべくもない。しかしそれでも十分な満足感が得られるのはここまでの充実した行程のおかげだろう。この企画を立案、実行してくれたGさんに感謝だ。
 風を避けてピークの北側の樹木の下で休憩。楽しいひと時を過ごした後はいよいよスキー組が楽しみにしていた滑降だ。しかしスキー組は遅れた方の付き添いとして下山されたKさん、スキーでの山行が無理と判断して途中でスキーをデポしたYさんが抜けたため滑るのは3人になってしまって残念。
 前山でシールを剥がしいよいよ滑降。雪質はちょっと重いかと心配したがそこそこに滑りやすくターンも気持ち良く決まる。まばらな樹林の中を気持ち良くツリーランしてあっという間に三ノ谷に着いた。対岸を見ると先に出発したワカン組が斜面を登っていくところで「お~い」と声をかけると向こうからも返事があった。
 三ノ谷からは再び登り返しだ。今度は200メートル程。僕はシールで後の二人は板を担いで登り始める。すると急に空が晴れてきて陽が差してきた。その瞬間の樹林帯がとても美しくて見とれてしまった。
 P1734を越えてしばらくいくと先行していたワカン組にやっと追いついた。もっと速く追いつけるだろうと思っていたのだがみなさん健脚で追いつくのが大変だった。
 スキーと歩きとのコラボは難しい思われがちだがこういうのを経験するとそうではないのではないかなあと思う。特にこういう上り下りのある山では時間的には大差が出ない。登り一辺倒でも伊吹山ではスキーとワカンでほぼ同じように上り下りした。かつて野伏ケ岳で知り合った方はスキーとスノーシューという組み合わせでいつも行動をともにしていると言っていた。してみると気の持ちようでコラボは可能なのではないだろうか。一緒にいくという気持ちのところが大切で形態は関係ないのではないだろうか。もちろん足の速さに若干の違いは出てこようが。
 P1735までは上り下りがあるのでシールで進む。スキー組の後の二人はかなり遅れていて休憩していても追いついてくる気配がない。山の超ベテランの二人なので遅れたとて何の心配はないし誰も心配してはいなかったが。
 P1735から少し下ったところでシールを剥がす。ここでワカン組と少し休憩。休憩後いよいよ滑降。もうここからはゲレンデ下まで下りばかりだ。
 谷の出合までの尾根はそれまでと変わらず雪質がよく気持ち良く樹林を縫いながら滑り降りてゆく事ができた。左右に見える斜面が魅力的だったが今はそれらを味わっている時間はない。
 谷筋は雪が腐っている上にデブリも出ており滑るのに苦労した。登りで疲れている腿に利いてきて数ターンしてはストップを繰り返していた。
 ゲレンデまで降りると後一滑り。上部は雪が重く引っかかるのがいやで慎重に下っていく。下部は朝よりも雪が溶けていてゆきの面積が更に少なくなっていた。それでもなんとか雪をつないで下部まで滑りきった。駐車場に着くと体調が悪くて途中下山された方が迎えてくれた。それからそれほど時間を置かずにワカン組が元気良く下りてきた。スキー組の残りのメンバーはかなり遅れたが無事下りてきた。その後全員の下山を待っていたかのように雨が降り出した。


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