1006yakeyama of 鈴鹿・美濃の山歩き

P6062608.JPG洞谷〜焼山

2010年6月6日(日)晴れ後曇り 洞谷~焼山 東濃 沢歩き
STさん、SGさん、そばつる、Tsutomu

6:40 黒井沢林道駐車地 → 7:00 15m滝 → 8:45 二俣 →
10:20 山頂北西コル → 10:50~11:45 焼山山頂 →
12:50 二俣 → 14:30 駐車地



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洞谷の取り付きの堰堤を越していく。

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堰堤を越すといきなりの連瀑帯。

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すぐに15m滝が現れSTさんがトップで登っていく。

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その後も滝の連続。危険なところではザイルを出す。

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滝は二俣まで息つく暇のない程続く。

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二俣を右に入るとガレ沢となった。

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稜線近くでは予想通り笹が濃くなってきた。

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山頂は意外にも多くのパネルで賑やかだった。

 谷を挟んで恵那山と対峙するような位置にある焼山。薮の濃い山らしいが普通は林道を利用して稜線に出、薮漕ぎをして登頂するらしい。そこを山頂から北に下りている沢を使って登頂しようと挑戦したのが昨年の調度今頃だった。未知の沢へ挑むという姿勢がとてもOSKらしく感じられた。
 実際にその沢に行ってみるとこれは大変な沢だという事がわかった。のっけから滝の連続で大滝は巻くのも登るのも時間がかかった。十人を超す大所帯では登り通す事は難しそうだった。結局この時はアクシデントが発生して一つ目の大滝を登ったところで引き返してきた。しかし、その時参加した中の何人かは何時かもう一度挑戦したいと思っていたし実際そういう話もした。
 今年のOSKの年間山行計画にはしっかりとこの焼山沢登りが入っていた。もし入ってなくても個人的に行ってみようと思っていたが計画があるのならそれに参加したい。リーダーのSTさんにはよろしくお願いしますと早めに申し込んでおいた。
 結局参加者はリーダーを含めて4人となった。OSKの案内には「リーダーのセレクトあり」と書いてあり何人かは実際断ったそうだ。しかし昨年の有様を見て最初から敬遠した人も多かったのではないかと思う。危険な匂いのする沢なのだ。
 昨年と同様、黒井沢林道沿いの広場に車を停め出発。ゲートのある林道に入って橋を渡るとすぐ目的の洞谷出合だ。
 出合には立派な堰堤がありこれを左岸側から巻き二つ目の堰堤は右岸から越す。すると昨年も目を見張った風景が現れる。いきなりの連瀑帯なのだ。ここを足慣らしを兼て越していくと15mの大滝が現れる。まだ出発して30分も経っていない段階ですでに核心部の味わいだ。
 リーダーのSTさんが昨年と同様この大滝をトップで登っていく。そばつると僕はそれを唖然として見ていた。SGさんはトップの確保にまわっている。考えてみればこのメンバーは一昨年、根尾の明神洞を登ったメンバーだ。その時もSTさんがトップ、SGさんにフォローにまわっていただいた。そのおかげでこんな僕でも明神洞を歩く事ができた。その時の事を思い出す。今日も僕はこのお二人の力で登らせてもらうのだろう。なんとか足手まといにだけはならないようにしよう。
 登れるのかなあと不安を抱きながらもプルージックで何とか登っていく。セカンドの僕が登り着いたのを見てSTさんは先の様子を見に先行していく。
 全員が無事登り終えて後を追いかけるとその先も5、6mの滝の連続。簡単な滝ばかりではないがみんな先に登っていってしまっているので登らないわけにはいかない。なんとか遅れないようにと登っていく。幾つか滝を越えたところでふと前方を見ると沢が見える限り滝が続いている。一体この先どうなるんだろう。不安と期待が入り交じり身体が震える。
 ここで二回目のザイルでの確保。一見登りやすそうに見えたがなかなか手強かった。しかしSTさんはこんなところをよくフリーで登っていくものだ。経験の違いというものだろうか。
 ここを登り終えてからもまだまだ滝は続く。こころもち規模は小さくなるがそれでも登るのに難しい滝もあり気を抜けない。
 やがて滑っぽい連瀑帯になってくるとそこからわずかで二俣に出た。ここを右に行くか左に行くかで迷ったが山頂に近いだろうという事で右に進んでいく事にした。
 進んだ沢は先ほどまでの滝の連続帯とは打って変わって滝が全くないガレ沢となった。それでもこの先に何かあるのではないかと期待を抱きながら進んでいった。
 しかし期待ははずれやがて沢はソテツと樹林に覆われるようになった。水流もいつか途絶えてしまって後はこのまま稜線に向かうだけという感じだ。それでも周りを取り囲む豊かな緑と、振り返ると樹間からのぞく恵那山のたおやかな姿がここまで来てよかったという気にさせてくれた。
 稜線近くになると笹が出てきて詰めは笹ヤブコギとなった。一本一本は細い笹だが密集しているとかなり厄介だ。そこをSGさんは「ラッセルしているみたいだ」などといいながら力強く進んでいく。とても助かった。
 稜線に出てからも猛烈な笹薮が続いた。それでもいつかは終わりがある。SGさんの進路開拓のおかげで思ったよりも早い時間に焼山三角点に出る事ができた。
 焼山三角点は薮に囲まれたところで特に明確な踏み跡も見当たらなかったが山頂を示すパネルは賑やかだった。人気の山なのだという事がそれを見てわかった。
 万歳三唱の後、疲労困憊という感じで腰を下ろす。そしてビール。乾いたのどに染み渡って美味しい。緊張が続いた身体と心が安らいでいくのがわかる。
 下山は山頂から東側の沢を下っていった。沢筋に入ると薮が薄くなり歩きやすくなる。これならこちらから登れば良かったと思ったのもつかの間、先で沢が抜けていた。そこからは崩れやすいガレ沢となり落石しないように慎重に下る。この沢は下っていくと二俣で登ってきた沢とで出合う。沢らしい形になったのはその二俣に出るちょっと手前くらいからであった。
 沢の下りは気を使う。特に滝のクライムダウンは足下が見えないだけに怖い。STさんの降り方を見て参考にするのだがうまくいかない。それでもなんとか下る事ができた。途中今年初めて懸垂下降もやった。おっかなびっくりだったが何とかこなせた。
 こういった沢はなかなか個人では登っていけない。STさんやSGさんというベテランがいるからこそ登っていけたのだろうと思う。またこういうところだからこそベテランの技が発揮されそれを間近で見られるいい機会だった。今回、とてもいい勉強になったしこれからもこういう機会を大切にしたいと思った。

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