1008kurotsuyama of 鈴鹿・美濃の山歩き

P8290007.JPG黒津山
2010年8月29日(月)晴れ 黒津川~黒津山 奥美濃 沢歩き 単独 

6:00 黒津川林道終点 → 7:30~40 二俣 → 9:30 直登沢出合 →
11:00~12:20 黒津山三角点 → 12:45 南東ピーク → 
15:00 二俣 → 16:25 黒津川林道終点



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今にの落ちそうな鉄製の橋を恐る恐る渡って対岸に。

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堰堤を越えると大きな渕が迎えてくれる。

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越しにくいところには釣り師がロープをしてあった。

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左岸にかかる滝。なかなかいい感じだ。

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樹林帯の雰囲気もなかなかいい。

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現れた滝をシャワークライム。

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裏見のできる滝も現れた。

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直登沢に入ると規模が小さいながらも連瀑帯となる。

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急斜面を登って振り向くとブンゲン、貝月などの山並み。

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木に登ると近くに蕎麦粒山、遠く三周ケ岳などが見えた。

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南東ピーク辺りはブナの樹林帯。

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急なガレ沢を注意深く下っていく。

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幾つか滝が現れたが容易に下る事ができた。

 黒津川は以前から気になっていたが昨年の山日和さんのレポートで行く気に火がついた。山日和さんによるとなかなかの美渓らしい。
 坂内道の駅横にきれいに舗装された林道がある。これを奥に進むと左手に「黒津浄水場」を見て終点に着く。終点は少し広くなっていて車が数台停められる。ここから対岸に鉄製の橋が架けてあるが朽ちかけており渡れるのか怪しい。勇気を振り絞って足を出す。なんとか無事に渡る事ができた。
 対岸の踏跡を辿ると堰堤の肩に出た。そこから黒津川の流れに下りて奥に向かっていくとすぐ大きく深々とした淵が横たわっていた。両岸は岩壁だ。しかしここは左側から縁を伝っていき中央の小さな滝の落ち口に上がることができた。傍らには釣り師が残したらしいロープがあったが信用はできない。
 奥にも似たような規模の淵が幾つか現れた。何れも釣り師のロープが残されているが頼るまでもない(下る時、一部使わせてもらったけど)。楽しくそれらを越えていくとやがて沢はゴーロ状になる。左右に広がる樹林帯が心を癒してくれる。猛暑続きの今年だがここではそんな事は感じない。
 左岸側に黒い岩肌の滝がかかっている。水量もそこそこある。そんな滝を二つ見送ると二俣に出る。水量からいうと右が本流のようだがここは左へと進んでいく。
 豊かな樹林帯が沢を包む。特に右岸にある石垣跡の辺りからは背の高い沢グルミが谷を埋め尽くすかの様だ。やがて登り頃の滝が現れる。直登すればシャワー確実だ。頭から水を被って登っていく。気持ちいい。次の滝も登りにくそうだったが直登していった。続く滝は裏見ができそう。で滝の裏に入ってみる。なかなかいい感じで楽しい。
 少し大きめの枝沢が右から合わさったところから目指す直登沢は近い。気分よく歩いて行きふとGPSを見ると目指す沢の出合を行き過ぎていた。あわてて先ほどの出合まで戻ったが目指す沢が分からない。もう一度登り返すと小さな流れが出ているところがあった。さきほど規模が小さかったため無視してしまったところだ。周りの地形から見てもどうやらこれが直登沢のようだ。
 沢はそれまでの本流に比べるとかなり細く取り付きから黒い岩肌の滝が連続する。規模は大きくないが手がかり足がかりが小さく登りにくい。左右も難しそうな草つきだったり岸壁だったりして逃げられない。一歩一歩慎重に登っていってこの連瀑帯をなんとか乗り切った。
 連瀑帯が終わると左手に涸れ沢が現れる。地形図からこの涸れ沢が山頂へ直登している沢と推測していた。その推測が正しいかどうか今は分からないが正しいと信じてそちらに進んでいった。
 下部は安定した沢だが上部に至ると登りにくい急斜面が続く。ふと振り返ると谷向こうの青空の下にブンゲン、貝月などが見えそれが苦しい登りの救いだった。
 上部に至るとヤブが濃くなり濃密な笹も現れた。きついヤブコギとなる。その中をGPSで針路を修正しながら進んでいくと稜線近くで目の前に灌木が立ちはだかった。その灌木を回り込むと足下に四頭三角点があった。GPSの世話になったとはいうものの100点満点の登頂だった。
 山頂は樹木と笹で展望はほとんどない。近くの木に登って展望を楽しむ。それとて東側は見る事ができなかった。蕎麦粒山が随分近くに見える。その奥に高丸が見え更にその奥に夜叉壁。南には貝月山やブンゲン、金糞岳が見える。ヤブ山としては大満足の展望だろう。
 下山は迷ったが南東ピークから沢に下っていく事にした。山頂からヤブに飛び込む。ヤブの中にはなんと赤テープの目印がしてあった。それもまだ新しい。こんなヤブの中を歩くなんて物好きな人もいたもんだ。
 南東ピーク辺りはブナの樹林帯になっていて三角点ピークより雰囲気がいい。そこから猛烈な笹薮に飛び込んで南の沢筋へ降りていく。
 沢筋は最初安定していて歩きやすい。こちらにして正解だったと思いたいが初見の沢の常でとんでもない滝が現れるのではないかという不安がつきまとう。とんでもない滝は現れなかったがやがてガレて不安定な斜面になり一歩一歩が慎重になる。そこを越えると後は難しいところはなかった。とはいえ沢の下りは足腰に負担がかかり疲れるし時間もかかる。それ故なのか想像した以上に沢が長く感じられた。
 下部に至り沢が広くなってくると幾つか滝が現れるが越すのに苦労するようなところはなかった。結局最後までロープを出す事はなかった。朝通過した二俣に出ると後は登った沢を下るだけとなった。陽が傾いてきて急ぎ足の下りとなった。朝射していたのとは逆向きに射す陽は沢の表情を違って見せていた。


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