1009nishigahora of 鈴鹿・美濃の山歩き

P9040076.JPG西ケ洞
2010年9月4日(土)~5日(日)晴れ 西ケ洞 奥美濃 沢歩き
OSKのみなさん、Tsutomu

9月4日(土)
6:35 新深山トンネル西口 → 8:55~9:15 大釜 → 
11:10 大ヤマタ出合テン泊地

9月5日(日)
6:45 テン泊地 → 7:05 大ヤマタ滝 → 
9:25 10m二段滝落口 → 10:40~11:15 テン泊地 → 
12:55 大釜 → 15:10 新深山トンネル西口



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新深山トンネル西口の車止めから歩き出す。

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出合からいきなり難しいへつり。

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今は使われなくなったトンネルが現れる。

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わずかな足場を慎重に進んでいく。

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棚の様になったところも。

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大釜は流石に深そうだ。帰りはここで泳いだ。

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振り返ると水面がきらめいて宝石のようだ。

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難しいへつり。帰りは途中から泳いだ。

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大ヤマタの出合は広々として明るくゆっくり過ごすのに調度いい。

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大ヤマタ滝。左岸の岩場を登っていった。

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ロープワークやビレイについての講習を受けた。

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2つ目の滝から引き返した。

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帰りは巻くよりも泳ぐのが速いと水中へ。

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女性陣もたくましい。

 昨秋、OSKのSさん達と銚子洞を訪れた帰りに「西ケ洞に行ってみたいですねえ」と言った言葉を受け入れてもらえたからなのかどうかは定かでないが今年のOSKの事業計画の中に「西ケ洞」の文字を見つけた時は思わずニンマリしてしまった。憧れの西ケ洞である。この山行だけは何があっても外せない。

9月4日(土)
 大垣を出発する時に見上げた空は星屑に覆われていた。天の川まではっきり見える。これは幸先がいいと言うものだろう。好天の下の遡渓が期待できそうだ。
 夏はバーベキューで賑わう板取川沿いを進んで川浦谷に入る。新深山トンネルを越えると左手に林道がある。すぐに車止めがありその前に駐車。今回のメンバー一名が連絡ミスで遅れるらしく関ヶ原Nさんに待機していただく事にして出発した。
 林道をわずかに歩くとガードレール越しに鉄製の階段がありそこから川浦谷の流れに下りていく。流れに下りるとのっけから腰高の流れの中を歩く。今回が2回目の沢歩きだというTさんはいきなりのこの状況に腰が引けている。
 すぐに西ケ洞の出合に出る。出合に入ると深い瀞場があり脇の滑りやすいスラブをへつっていく。足下をこらえきれずに早くも入水する人も。かく言う僕も入水。しかし入水しても流されたりはしない。水量の割に流れが緩やかなのだ。
 思ったより広々とした川原を進むと左岸にトンネルが現れた。中止になった西ケ洞ダム建設用に作られたものらしいがこの谷にはいかにも不釣り合いな構造物である。このトンネルが役立つ事がなくて良かった。もしダムの建設が進んでいたらここから先のみごとな美渓を見る事はできなかったであろう。
 谷は徐々にゴルジュの様相を呈してくる。と言っても狭いゴルジュではなく広くて圧迫感や息苦しさは感じない。黄土色をした両岸の岩肌とその間を流れるエメラルドグリーンの淵、そしてそこに差す光が織りなす色彩が実にみごとだ。遡渓という目的がなかったらそれらの淵のうちの一つをずっと眺めていたいくらいだ。
 眺めるには楽しいがこれを遡っていくのはなかなか大変だ。胸まで浸かって淵を渡っていったり、滑りやすい岩に気をつけながらへつったり、岩場の中段の細いバンドを辿っていったり。時には信用できるかどうか分からない残置ロープに身体を預けてエイヤ。思わず及び腰になったり「渡れない!」と弱音を吐いたりするメンバーもあったがSさんのリードのおかげでなんとか全員が無事に進んでいく。
 二時間半ほどでSさん、Kさんから「一度は見ておくといい」と言われた大釜に辿り着いた。確かに一見の価値あり。深々としたエメラルドグリーンの淵はそこに懸かる4m程の滝が滝に見えない程の大きさだ。その雄大さに見とれて思わずボーッとしてしまう。みんなこの大釜をバックに記念写真を撮っていた。
 ゴルジュはまだまだ続く。両側が立って奥に長く続く廊下では右岸の草つきを巻いていった。巻いて上がったところから見たこの廊下は光線の加減で宝石の様に美しかった。この廊下を後から来た関ヶ原Nさんはへつって渡ろうとしたらしいが途中でにっちもさっちもいかなくなりヒヤヒヤしながら引き返したそうだ。
 青々とした淵はその後もいくつか現れようやく樹林が近づいてきて沢が広くなってくるとテン泊予定地の大ヤマタの出合だ。
 ここは広い川原になっていて空も開けておりのんびり過ごすにはもってこいのところだ。テント設営地は高台の樹林の中にして歓談の場所はこの川原となった。
 時間はまだまだ早い。大ヤマタに散策に入る人、メンバーとの話に花を咲かせる人、川原に寝転がって昼寝をする人。それぞれの時間を楽しんだ。そのうち陽は傾きみんなが焚火の傍に集って楽しい夕餉のひと時となった。時間を忘れて話し込み不図見上げれば満天の星空が我々を包み込んでいた。

9月5日(日)
 二日目は大ヤマタの滝を訓練を兼て幾つか登って帰る予定。テン泊地を全員で出発。すぐに大ヤマタ滝に出た。この滝は二段15mほどの立派な滝で直登は難しい。左岸側に切り立った岩場がありそこを登っていく事となった。
 Sさんがトップで登っていく。それを関ヶ原Nさんが確保。豪華リレーだ。ここでビレイについて関ヶ原Nさんからの講義。実体験に基づいた話だけに説得力がある。
 ここから岩登りの経験が少ないメンバーはテン泊地へ戻った。残るメンバーはプルージックで岩場を上がっていく。全体に土の急斜面を上がっていったが一部微妙な岩越えがありみんなそこで手こずった。それを越えても尚急斜面が続くスリリングなルートだった。
 岩場を越えて沢に降り立つとすぐに10m二段滝。先に沢に下りていたメンバーはすでにフリーでこの滝を登って落ち口からこちらに手を振っている。こちらも負けじと挑んだ。滝は登りやすくすぐに落ち口に上がれた。時間を見るとすでに9時半。帰りの時間を考えてここから引き返す事となった。ロープの出し方についてSさんから講義を受けた後懸垂下降で二つの滝を下っていった。
 テン泊地では既に戻っていたメンバーによって片付けが終わっており後は個人の荷物をザックに納めるだけになっていた。荷物をまとめた後軽く腹ごしらえをしてテン泊地を後にした。
 下りでは大釜でSさんと僕が滝からダイブ。大釜を泳いだ。久し振りの泳ぎでかなりきつかった。そこから続く淵では特に泳ぐ必要もなかったがいい経験とばかりにメンバー全員がザックを浮き袋にして泳いだ。慣れない泳ぎに悲鳴をあげながらも童心にかえってどの顔もニコニコ顔。しかし水を吸い込んだザックは肩にずっしりと食い込む。疲れた足にこたえるが美しい西ケ洞の流れはそんな事を忘れさせてくれる。その後も2つ3つ泳ぎを交えて淵を越えていった。前日からの貴重な経験を重ねていく中で登りでは及び腰だった女性陣の足取りも何時しか頼もしくなったように見えた。

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