1011odugongen of 鈴鹿・美濃の山歩き

PB060076.JPG杉谷〜小津権現山
2010年11月6日(日) 晴れ 杉谷~小津権現山 奥美濃 沢歩き 単独
 
7:00 杉谷林道橋手前の駐車地 → 8:25 大岩のある二俣 → 
9:00 小滝の二俣 → 9:35 ニセの沢 → 10:45 東稜線登山道 → 
10:55~12:15 山頂 → 12:55 東稜線1500mピーク → 
14:35 494.1m三角点 → 15:20 駐車地 



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杉谷は険しくなく雰囲気のいい沢だ。

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開けた谷で見上げれば青空に下に稜線が見え登高欲が湧く。

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二俣に目立つ大きな岩が鎮座している。

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上部から振り返れば小津のあたりが雲海の様に…

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上部では小滝が連続する。中には登れなくて巻いたものも。

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東側稜線手前から振り返るとすばらしい眺め。

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山頂から花房山までいまでは登山道が開かれている。

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東尾根は紅葉が美しかった。

 2週連続の小津詣で。今回は小津の集落から直接小津権現山に突き上げている杉谷を遡ってみよう。
 杉谷林道に入り橋の手前にある広場に車を駐車。橋の右岸側の袂から登り始める。
 小さな堰堤を越えて先に行くと高さのある大きな堰堤が現れる。こういう堰堤をみると息がつまるような感じがしてしまうのは僕だけだろうか。
 堰堤を右岸側から越えて進んでいくとゴーロの中に小滝が現れていい雰囲気。生憎朝霧がかかっていて稜線を見上げる事はできないが開けて明るい谷だ。
 しばらくすると霧も晴れて秋色に染まった稜線が青空の下に見えてきてた。あの稜線に上がってみたい、そんな気にさせる眺めだ。
 やがて真ん中に大きな岩が鎮座する二俣に出る。この岩は思わず登ってみたくなる雰囲気。見ると裏側から登れそうだったが今日は先に進もう。
 ゴーロ状の沢を進んでいくと次第に稜線が近づいてきてワクワクする。右岸側に10mほどの滝を見送って三俣に出る。中俣に入ると沢が狭くなり斜度も増す。振り返るとV字の谷間からまだ朝霧のかかる小津辺りが雲海のように見えてきれいだった。
 小滝のかかる二俣を左に進むと更に沢が狭くなり滝が幾つか現れる。何れも2m前後だがひとつだけ5m程の滝がありこれは途中がぬめって滑りそうで左岸の岩と土の混じった斜面を高巻いた。
 地形図を見て次は右の沢に入らなければと思い現れた涸れ沢に入った。しかしこれが大失敗。登っていくと知らぬ間に尾根上に出て急斜面を木枝を掴みながらの登高となった。不図見ると思わぬ高さに小津権現山の前山が見える。おかしい、と思い地形図をよくよく見てみると目的の沢より手前にわずかな沢型が見られる。どうもそれに入ってしまったらしい。しかし今更戻る気もせず、残念ながら直登は逃す事になるがそのまま進んで東稜線の登山道を目指した。
 灌木の生い茂る斜面を喘ぎながら登って行くと笹薮に出た。今年一番と思われる密度の笹薮だ。時々笹の切れるところがありそこで息を整えては先に進む。振り返ると青空の下にすばらしい景観が広がっていた。
 斜度が緩くなってすぐに稜線の切り開きに出た。どうやら登山道のようだ。ここを左に進んで笹原の中の切り開きを一登りで山頂に出た。
 今日の小津権現山はいい天気だ。眼前に広がる景色を見ながら休憩。そばつると来た時とは違い他にも登山者が数名いる。何れも小津からの登山道からのようだ。
 傍らの年配の方と少し話をした。こちらが何時も沢を歩いていると話すと「沢の魅力はなんですか?」と聞かれて言葉に詰まった。
 沢の魅力と聞かれても簡単には言い表せない。景色が良かったり、ひとつひとつの沢にそれぞれの表情があって面白かったり、読図と感を働かせながらの歩きが楽しかったり、滝を登るのが楽しかったり…色々。その色々がつまったものが沢なんだろうな。
 下山は東稜線の肩から小津の集落に向かっている尾根を下る予定。
 1500mピークまでは広く切り開かれた登山道で多少のアップダウンはあるものの問題はない。色づいた木々を眺めながらの歩行は気分がいい。時折北側に県境の山並みが眺められた。
 1500mピークで登山道は左折し斜面を下っていく。こちらはそこから南東方向の薄い笹薮の中に突入。その薮の中にうっすらと踏み跡らしきものが認められそれを追う。地形図を見ると尾根の分岐の見極めが難しそうだったがこの踏み跡のおかげでスムーズに進む事ができた。
 途中、北側に大きな岩が張り出たところがありそこからしばらくは緩やかな尾根になる。ここの樹林がよかった。水彩画の様に淡く紅葉した木々に心が洗われるようだった。
 494.1m三角点の手前に煩わしい薮があるもののそれ以外は歩きやすくいい尾根だった。三角点からは地形図の点線路が道型として残っておりこれを追っていくと植林帯を下り集落の北側に出た。農作業されていた方が山から突然変な男が現れてちょっとびっくりしていたようだ。
 舗装された杉谷林道を駐車地に向かって歩いていく。途中、道端に軽トラをとめ作業をしていたおじいさんに声をかけられた。「どこを歩いてきたんやね。」尾根を歩いて下りてきた事を説明すると「熊が出んかったかね。」と聞かれた。やはりこの辺りでも熊が出没するのだろう。そういえば途中で獣の声が小沢を挟んだ向こう斜面で聞こえた。
 おじいさんは林道をとくとく登っていく僕を上まで乗せていってあげようと思って声をかけてくれたようだ。駐車地までは近かったので感謝しつつお断りしたがなんだか小津の人の温かさに触れた気分だった。この温かさがあるからこそ僕らは小津権現山や花房山に気兼ねなく登る事ができるのだろう。

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