0904ontake,shakunanzo of 鈴鹿・美濃の山歩き

P4117207.JPG御嶽山・尺ナンゾ谷

2009年4月11日(土)晴れ  御嶽山、尺ナンゾ谷〜剣ケ峰
山スキー  Wさん Tsutomu

 7:20 濁河川右岸市営駐車場 → 8:30 兵衛谷徒渉地点 → 9:50 上俵山 →
10:30 大滝 → 12:50〜13:20 地獄谷手前の雪原 →
13:50〜14:15 剣ケ峰 → 14:55 滑降開始 → 16:20 上俵山 →
17:50 市営駐車場



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上俵山までの広くてなだらかな斜面を登っていく。気持ちのいい樹林帯だ。

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上俵山から沢に降りると広々とした雪原の向こうに御岳稜線が見える。

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左俣の入り口にかかる大滝はまだ凍っていた。

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振り返れば白山が青空の中に輝いていた。

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右手に見える継母岳の岩峰は荒々しい。

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穏やかな山頂はのんびり時間を過ごしたくなるがそうもいかない。

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継母岳のコルまでの大斜面は雪質も良くて楽しい滑りができた。

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沢の雪質はちょっと重めだったがそれでも気持ちよく滑り落ちていく。

絶好の天候の中、4月11日(土)念願の尺ナンゾ谷へいってきた。

メンバーは、W女史と僕の二人。
W女史は昨年このルートに単独で挑戦したらしいが途中ルートを間違え敗退。
雪辱を果たすべく今回に臨んだ。

7時20分、濁河川にかかる橋のたもとの市営駐車場に車を停め出発。
少年自然の家の前で兵衛谷に向かう林道に入る。
林道はまだ雪が残っておりここからシール歩行。
途中で雪は切れたがそれでもいくらか楽はできた。

林道は兵衛谷を渡って対岸に伸びていた。
それを辿れば緩やかな尾根に取り付けそうな感じだ。
その方が上俵山までは楽に行けそうに見える。
しかしそういうルートをとったレポを見た事がない。
ここは安全策で従来紹介されている兵衛谷を徒渉するルートを進む。

兵衛谷右岸を進みまず小沢を徒渉。
広い雪原に出ていよいよ兵衛谷の徒渉となる。

徒渉地点を探ってうろうろ。
赤テープやピンクテープの目印はいくつかあるがどれも渡るのが難しそう。
なかなかいいところが見つからない。
それでもちょっと上流でなんとか渡れそうなところが見つかり徒渉。
この時W女史はブーツの中を濡らしたようだ。

徒渉後は対岸の沢状になった急斜面を登っていく。
雪質のせいかほぼ直登でいけた。

沢状の急斜面が終わると斜度も緩やかになりやがてなだらかな稜線上に出る。
あとは広々とした稜線上の樹林帯を高みに向けてひたすら進んでいく。
この樹林帯が感じよくここにくるだけでも十分満足できるのではないだろうか。

嫌になるくらいのなだらかで広々した樹林帯を過ぎるとやっと上俵山に着く。
山頂も広々した樹林帯でどこがピークかわからない。
わずかに右手に進むと木に赤テープが巻き付けてありそこに「上俵山」と記してあった。
恐らくこの辺りの雪の下に三角点が埋まっているのだろう。

上俵山からはやや右折気味に進んで南方の尾根にのる。
尾根の左手樹林帯をトラバース気味に進んで最低鞍部に出る。
そこからは左側の急斜面を沢に向かって降りていく。
降りた沢には抜けるような青空の下に雪原が広がる。
思わず「おお!」と感嘆の声が上がる。

沢をわずかに進むと二俣になっている。
左俣は入ったところがすぐ滝。
進むのはこちらの谷だ。

滝はここのところの気温の高さに関わらず青々と凍っている。
ほてった身体を冷ますために頬ずりしたいくらいだ。

この滝はガイドに書いてあった通り左側から簡単に巻けた。
滝から上はU字状の沢が延々と続く。
斜度はそれほどでもないが長い。
振り返れば白山が青空のもと白く輝いて何時ものように神々しい。

2、3の沢の分岐は地形図を見ながら選択。
左手に今にも崩れそうな岩肌を見ながら右手に曲がり
最後は継母岳の東側コルを目指して登っていく。
右手には継母岳の岩峰が青空にそびえる。

途中から沢を外して左側の広大な斜面にのった。
左手側の稜線へ向けてもすばらしい斜面が続いていたがかなりの急斜面。
ここはなるべく緩やかな斜面を高みに進んでいく事にする。
しかし広大な斜面は広すぎて行けども行けども終点が見えない。

いい加減進むのをやめようと思ったら突然雪原が途絶えた。
向こうを見ると王滝山頂から南に延びる尾根が見える。
ということはこの雪原が途絶えた先は地獄谷という事か。
なく子も黙る地獄谷!おおこわ!

途中から遅れ気味だったW女史を待つ。
やがて辿り着いた女史に剣ケ峰に行くかどうか聞くと行きたいという。
正直、かなり消耗していたのでもうここでいいんじゃないかと思ったが
彼女のきっぱりとした態度にこちらも行く気になった。
休憩もそこそこにスキーをデポしてアイゼン、ピッケルで剣ケ峰に向かう。

急斜面を登るのに足がパンパン。
それでも14時少し前に剣ケ峰に到着。
今シーズン御嶽山5度目の挑戦でやっと山頂を踏んだ。
晴天のもと3000m級の山々の大パノラマが広がる。
おだやかな天気にこのまま昼寝したいくらいだ。

山頂はスキーヤー、ボーダーで賑わっていた。
田の原方面や、黒沢方面もスキーヤー、ボーダーで賑わってる。
風もなくこの好天では当然の事かもしれない。
一の池にはたくさんのシュプールが残されていた。
いつか自分も滑り込んでみたい。

しばらくの休憩後剣ケ峰を後にした。
ここでアクシデント発生。
剣ケ峰から岩場を降りる途中長年愛用してきたアイゼンが真ん中から折れた。
雪質がつぼ足でも何とかなる状態だったので良かったが切羽詰まった場面だったらと思うとおそろしい。
逆に言えばここで折れてくれてよかった。

スキーデポ地点までの最後の急斜面をグリセード(シリセードじゃないよ)で降りようと滑り出した。
しかし、これが失敗で滑落状態になりピッケルで制動をかけるはめに。
思わぬところで滑落停止訓練になってしまった。

さてデポしたスキーのシールを外していよいよ滑降開始。
デポ地点からコルまでの大斜面は雪の緩み方もほどよく斜度もいい加減で気持ちよく滑っていけた。

コルから下の沢もしばらくはいい感じだが次第に雪が重くなってくる。
それでもあっという間に滝まで辿り着いた。

上俵山までの登り返しが少し厄介だったが山頂より先はなだらかな樹林帯を縫ってそこそこ気持ちよく滑った。
最後の樹林帯の急斜面は雪質も悪くヤブもあり気を使った滑りとなった。

この尺ナンゾ谷は特にこれと言って難しいところはないが距離が長くその分消耗した。
18時に車に着いたときは体が固まっていた。
しかし、スキー向けのいいルートだった。
特に上部の斜面は特筆ものだろう。

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