0905kekachiyama of 鈴鹿・美濃の山歩き

P5037702.JPG毛勝山

2009年5月3日(日)快晴  富山県魚津市  毛勝山  山スキー  単独

6:15 阿部木谷出合駐車地 → 7:20 最後の堰堤 → 7:55 大明神沢出合 →
10:00 毛勝谷本谷出合 → 11:30〜12:25 毛勝山山頂 → 14:00 駐車地林道駐車地



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毛勝山登り口の林道には遭難レリーフが二つ。何れも若いかたがたのものだ。

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阿部木谷右岸林道を板を担いでテクテク歩く。

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大きな堰堤の前を右岸に渡る。そこからは雪が出てきた。

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林道が終わると谷が狭くなり左右にデブリの堆積が見られる。

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大明神沢出合は広々として休憩がしたくなる。

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見上げる毛勝谷は大雪渓。ここを登ると思うとワクワクする。

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登山のパーティがいくつか先行していた。スキーヤーは少なそうだ。

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どこまでも続く急な谷。滑るのが楽しみ。

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流石にこれだけの急傾斜になるとつぼ足の登山者の方が早い。

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稜線は風が強かった。コブまで来たら毛勝山山頂は目と鼻の先。

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毛勝谷本谷を滑り降りる。雪面が荒れておらず雪質も良くて最高!

焼山から下山後糸魚川市内で入浴し下道で魚津に向かう。
片貝川沿いの道に入って適当なところに車を停め車中泊。


5時頃に起き登り口の阿部木谷出合に向かう。
阿部木谷出合付近は所々に駐車スペースがあるがすでに登山者の車であふれていた。
そんな中に何とか駐車場所を見つけ準備をする。


隣に駐車されていた方も準備中で話を聞くと千葉からいらしたそうだ。
毎年この時期にこのあたりに登山にくるのだそうだ。
それだけ魅力のある山域という事なのだろう。


阿部木谷出合へ渡る橋のたもとの岩に遭難レリーフが二つ打ち付けてあった。
一つは14歳の少年のものだ。
雪渓雪崩に巻き込まれたらしい。
それが1974年の事だから生きていれば年齢は僕より上だ。
そのパネルは父親が作ったもののようだが今も存命なのだろうか。
なんだか複雑な気持ちになった。


阿部木谷沿いの林道を板を担いでテクテク歩いていく。
前日の疲れが若干あるがなんとか上まで行けるだろう。


大きな堰堤の前を左岸側に渡ると雪が出始める。
そこですでに下山してきたスキーヤーに出会った。
話を聞くと昨日から登って泊まったとの事。
朝方の凍てついた斜面が怖かったと言ってみえた。
それも昼頃にはいい感じに緩む事を願おう。


雪のついた林道をわずかに進んでシール歩行に切り替えた。
雪の上はやはりシール歩行の方が快適だ。


最後の堰堤を乗り越すあたりで雪が若干切れたが
それもわずかですぐにまたシール歩行。
谷が狭くなると沢を雪が覆うようになる。
雪は汚れていて表面もデコボコだが歩行に支障はない。


デブリが左右から堆積している狭い谷は時折上からガラガラと音がする。
小規模な雪崩が発生しているようだ。
気をつけなければ。


谷が広くなって明るくなると大明神谷の出合に出る。
そこから先の毛勝谷は広々とした大雪渓ですばらしい景観。
こんなところを登っていくのかと思うとワクワクしてくる。


毛勝谷を登っていくと徐々に先行者の姿が見えてくる。
登山者が多いようだ。


三ツ俣になったところでは右の沢からデブリが流れ出てきていて谷を埋めている。
そこを左脇から通り抜けて行くと谷のかなり上部まで見えるようになった。
いくつかの登山パーティが固まりを作って進んでいくのがわかる。
スキーヤーは少ないようだ。


登ってきた谷を振り返るといつの間にかかなりの高さまで登っていてビックリ。
斜度も知らぬ間にかなり急になっている。
直登していくのがかなりきつくなってきた。


登山のパーティ1組とスキーヤーを二人追い越したが
上部に至ってきつくなった直登から斜登高に切り替えると
つぼ足で直登してくる幾人かに追い抜かれた。
急斜面ではスキーより歩きの直登の方が有利という事か。
しかしスキーで来ている以上スキーで登っていきたい。
このままシール歩行を続けよう。


左手に毛勝谷本谷をわけて稜線に向かう谷に進む。
更に斜度は増してきてキックターンするのも骨が折れるようになる。
それでもなんとか登りきり稜線に出た。


稜線上は風が強い。
それまで無風といっていい状態で暑くTシャツで歩行していた。
しかしこの強風の中では流石にTシャツでは寒い。
あわてて上着を着こんで稜線を東に進む。
稜線ではテントが三張り強風に吹かれていた。


コブを一つ越えて斜面を登りきるとやっと山頂に辿り着いた。
山頂は広々しており360°の眺め。
慣れない山域なのでどこがどの山かわからない。
しかし取り囲む峰々の連なりはすばらしい。


山頂にはスキーヤーが二組。
滑りが見たいなあと思ったが目の前の急斜面にはさすがに滑っていかなかった。
その中の一人は山頂西側の鞍部から毛勝本谷へ降りたのが見えた。


山頂を後にして西側の鞍部に降りる。
登ってくるときここが無風だったので休憩地にしようと思っていたのだ。


さて休憩。
いつものようにプシューからとザックをあけるとあれ?
あるべきものがない!


確かに今回軽量化のためアイゼン、ピッケル、スコップというものはおいてきたが
ビールまで置いてきてしまうとは。
我ながらなんたる失態。
まあでもいい谷だしいい眺めだから今回はそれで満足という事にしよう。


休憩を終えいよいよ滑降開始。
どこから滑ろうかと迷ったが本谷を滑る事にした。
少々急斜面だが登山者のトレースでぼこぼこになった斜面を滑るよりいいだろう。
何より登山者がいないのがいい。


滑り込んでいくと最初狭かった斜面はすぐ広々とした斜面となる。
かなりの急斜面だが雪質がよく気持ちよくターンが決まる。
雪面もシュプールが一本あるのみで荒れてない。
他に人のいない沢に至福の時が刻まれていく。


あまりの気持ちよさに顔がにやけているのが自分でもわかる。
しかしその時間もスキーではあっという間に終わってしまう。
岩に挟まれ若干狭い斜面を抜けると登ってきた沢に出る。
そこからは広々しているがトレースやシュプールで雪面が荒れている。
雪質も若干重め。
ここからは慎重にターンをして下っていく。
それでもかなり早く下山ができた。


どんな山かもあまり知らずに来た毛勝山だったが
思わぬすばらし時間を過ごす事ができた。
北陸で過ごした二日間は実にすばらしいスキー旅となった。

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