親谷の林道は奥で橋が落ちていた。そこには頭を突っ込んだワゴン車…
右岸に渡って少し行くと巨大な堰堤が立ちはだかる。
最初の滝らしい滝。ちょっと身体慣らしに登ってみた。
ふと右岸側を見上げると土地の巨木。この沢の主に違いない。
ゴルジュの奥にかかった10m斜瀑。右から巻いた。
連瀑帯の最後、8m二条滝。右側のチムニーから登った。
大滝の上に石を積んだ構造物。小屋でも建っていたのだろうか。
ふた抱えほどのブナがすっくと立っていた。
最後の大滝は10mちょっと。右手の滑りやすいルンゼを登っていった。
上部は新緑がさわやかな気持ちのいい樹林帯。
沢は上部でもヤブが少なく歩きやすかった。
わずかな薮漕ぎで三角点へ。奥美濃らしい山頂だ。
下山は真東の沢に下りる。写真ではわかりにくいが十数mの多段の滝。簡単に巻けた。
久し振りに揖斐川流域の沢に行ってきた。
揖斐川横山ダムを越え親谷に向かう。
今日は親谷の上流、天狗谷から五蛇池山を目指す予定だ。
親谷の林道は途中まで舗装されていて快適だが上部は無舗装。
慎重に車を進めるが時折車の底を打つ音がして嫌な感じ。
親谷第一砂防ダムを越えて少し進んだところで林道の橋が落ちていた。
そこにワゴン車が頭を突っ込んでいてビックリ。
見ると車検が20年10月になっていたからそれ以前から放置されているのだろう。
ナンバーは外されていたので持ち主はこの状態で廃車にしたようだ。
こんなところから引き上げるのは費用的にも大変だろう。
ダッシュボードにはGacktのCDが残されていた。
車を戻して第一砂防ダムの横あたりに駐車。
準備を整えて林道を歩いていく。
橋を渡って親谷の右岸に移ると巨大な第二砂防ダムが立ちはだかる。
ここは上に向かっている林道を更に進んでダムの上部へ出る。
そこからヤブの中についた薄い踏み跡を追って川原に下りる。
下りた川原は広々して明るい。
ここに三つの沢から流れが集まっている。
いずれも水は太くない。
左手の沢はつめると黒津に登るようだ。
右側の沢は短い。
ここは真ん中の沢に歩を進める。
目的の天狗谷だ。
かつては林道があった痕跡を左岸に見ながら沢を進んでいく。
沢が少し狭くなったところでふと右岸を見上げると大きなトチノキが。
沢の主のような感じだ。
今日一日よろしくお願いします。
ゴーロの沢を石から石へ足を運ぶ。
いくつかの沢が枝分かれしているが一番左をとって進んでいく。
両脇が迫りゴルジュっぽくなると奥に10mほどの大滝。
斜瀑でホールドもありそうだが一人ではちょっと怖い。
2回ほどトライしてみたが濡れるのも嫌だったので諦めた。
左手の上部が少し傾斜しているがバンドのようになっている。
そこに向かって滑りやすい急斜面を登る。
下からバンドのように見えたところは岩の上に土が堆積したものだった。
堆積した土がズレたらそのまま沢底まで滑落してタダではすまないだろう。
慎重に歩を進める。
何とか大滝を巻いて更に奥に進む。
滝が続いて連瀑帯の様相を呈してきた。
連瀑帯の最後は8mほどの二条滝。
ここは右手から巻けそうだが滝の右側にあるチムニーからトライ。
身体を岩と岩の間に挟むようにしてなんとかよじ登った。
下山時に巻いた小尾根からこの滝を見たがよく登ったものだ。
二条滝の上は穏やかな沢になる。
緊張したので岩に腰を下ろして一息入れる。
右岸を見ると二条滝の落ち口の上あたりに石垣が…。
こんなところで人工物を見るとは思わなかった。
何に使われていたのだろう。
石垣の更に上の斜面には立派なブナ。
ふた抱えほどありそうだ。
今日見たブナで一番大きかった。
休憩を終え穏やかな沢を進んでいくと最後の大滝が現れた。
10mちょっとくらいかな。
斜瀑で登れそうな雰囲気もあるが無理はしない。
ここは右手の土の堆積した急なルンゼを慎重に登っていく。
上部で木にかけられた古いシュリンゲを2本見つけた。
大滝の上は素敵な樹林帯が広がっていた。
ブナも細いながらちらほら見られる。
新緑がさわやかだ。
上部に至っても沢にはヤブが少なく歩きやすい。
そこを右へ右へと進路をとる。
やがて沢筋が消えると笹薮に突入。
どれほど続く事かと思ったが意外と早く山頂稜線に出た。
あとは右方向にヤブを漕いでわずかで三角点に到着。
切り開きは四畳ほどで回りは笹が立ち展望はほとんど得られない。
わずかに花房山の稜線が見えるのみだ。
奥美濃らしい山頂と言えるだろう。
何故かしらとても落ち着く。
荷物を広げてビールで乾杯。
気持ちいい。
下山は山頂から真東の沢におりていった。
この沢は素直な沢で下りやすかった。
途中数十メートルの多段の滝があった。
水流はほとんどなくわずかにぬれている程度だが下れない。
しかし左岸側の斜面が急ながら樹林がしっかりあり難なく巻く事ができた。
多段の滝から少し下ると平坦な地形になる。
花でも咲いていたらいい感じだなあと思ったが花は見当たらなかった。
下った沢は石垣とブナがあったあたりで登ってきた沢と合流。
後は二つの大滝を慎重に巻きながら下っていった。
久々の揖斐の沢は人の気配が全くなくこの辺りの山深さを感じさせてくれた。