0910sanshu of 鈴鹿・美濃の山歩き

PA129999.JPG根洞谷〜金ケ丸谷〜三周ケ岳

2009年10月11日(日)〜12(月)晴れ 奥美濃 根洞谷〜金ケ丸谷〜三周ケ岳
沢歩き 山日和さん とっちゃん Tsutomu

11日
7:20 夜叉ケ池登山口(岐阜県側) → 8:50 夜叉ケ池 → 10:10 根洞谷下降点 →
15:00 小茂津谷出合 → 16:30 西谷出合 → 16:45 テン泊地

12日
7:25 テン泊地 → 9:50 大ヤブレ出合 → 15:35 稜線 →
15:55〜16:25 三周ヶ岳 → 17:25 夜叉ヶ池 → 18:35登山口



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夜叉ケ池登山道から夜叉壁を望む。まるでアルプスのようだ。

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県境稜線を三周ケ岳に向かって歩く。山肌がそろそろ色づいてきた。

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根洞谷へ降り立つまでは大変だったが根洞谷そのものは穏やかで優しい谷だ。

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原生林が流れの左右に展開する中をじゃばじゃばと歩いていく。

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出合近くになって渓相は一変して険しくなる。なんとか越えて西谷へ出た。

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大自然の中でテン泊。焚火を見ると何故か心が落ち着く。

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金ケ丸谷は最初ゴルジュっぽいが難しくはない。

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やがて流れが穏やかになると左右にすばらしいブナの樹林帯が広がるようになる。

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ブナ林の間を流れる沢は桃源郷へ導いていく。

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すばらしいブナ林を越えて谷が狭くなるとゴルジュ帯だ。なかなかの滝が現れる。

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最後は両手両足を突っ張って登っていく滝が現れる。

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下山時は陽が稜線近くまで落ちていた。残照に照らされた山肌が燃えるようだった。


樹林がすばらしい溪、根洞谷と金ケ丸谷へ山日和さん、とっちゃんとともに沢泊で行ってきた。
 スタートは池ノ又の夜叉ケ池登山口から。早朝の出発だったがすでに先行者が数名。夜叉ケ池か三周ケ岳に向かったのだろう。
 はじめはのんびりと広々とした登山道を歩いていく。前方には青く澄んだ秋空のもと夜叉が壁がそびえる。手前のブナ林との距離感がよくて立体的な絵画を見ているようだ。
 幽玄の滝を過ぎて急斜面を一登り。夜叉ケ池を見下ろす稜線に出る。稜線上は少し風があるがさほど気にならない。ここから三周ケ岳へ向かう登山道を歩く。
 登山道は背の高い笹に覆われて見晴らしは良くない。それでもところどころで周りの山並みを眺められそれらの山の話題に花が咲く。
 P1256を過ぎたあたりで根洞谷への下降点を探る。どこも薮の急斜面で滝がありそうだ。ここときめていざ下降を始める。
 予想通りすぐに滝が現れる。根洞谷へ下り着くまでに3つ滝があった。何れもロープを出す為の支点がなく苦労して下った。そのため3人での山行だが予想外の時間がかかった。
 この難場を越えるとあとは穏やかな渓相となる。沢が広くなってくると両岸にブナやミズナラ、沢ぐるみなどの素敵な樹林帯が取り囲むようになる。その中をのんびり歩いていくのは何とも言いようがない贅沢な時間だ。「いよいよ桃源郷に入ったか」という山日和さんの呟きがしみじみとして印象的だった。
 高丸から下りてくる小茂津谷の出合は流れが逆方向になっていて面白い。ここから西谷までは一時間位か。時間が押していて急がないと明日の行程が厳しくなる。
 西谷まで後わずかというところで沢はゴルジュ状になってきた。越せなさそうな淵が続く。しかし巻きは一ヶ所だけでなんとか通過する事ができた。
 西谷に出てすぐテン泊に適した地を山日和さんが探してきた。本当は励谷の出合でテン泊するはずだったが時間的にきつくここで泊まる事となった。それぞれにねぐらの用意をして夜の宴が始まった。とっちゃんの焚火をおこす技がなかなかの見物だった。

 2日目は金ケ丸谷の遡行。励谷の出合を知らぬ間に越えてしまいゴルジュ状の沢をしばらく進む。ゴルジュと言っても難しいところはない。やがて沢が広くなってくると両岸を秋の柔らかな日差しを受けてきらめくブナが埋めるようになる。それは息をのむ程の美しさでうっとりと見とれてしまう。この中を歩いていくのだと思うとそこはかとなくうれしさがこみ上げてくる。これこそまさに至福の時というものだろう。
 この樹林帯は思いの外長く続く。大ヤブレの出合付近は更にいい感じの樹林帯だった。この辺りに簡単にこられるルートはないかと地形図を見てああでもない、こうでもないと話が盛り上がった。
 やがて沢が狭くなってくると至福の樹林帯もおわりゴルジュの様相となる。やがて滝が現れ直登したり巻いたりして越えていく。チョックストーン滝では巻くのに12メートル程の支流の滝を登った。予想外に滝が多く時間がかかる。最後は両手両足を突っ張りながらの滝登り。それを越えると再び沢が広くなりまた素敵な樹林帯が周りを覆うようになる。
 二日間の歩行でヘトヘトになった身体を何とか奮い立たせて最後の薮斜面をよじ登っていくとやがて稜線の登山道に飛び出た。三周ケ岳を巡る周遊の完成だ。それを祝う為に三周ケ岳山頂に登りがっちり握手。お互いの健闘を讃え合った。
 下山の頃には陽は既に稜線近くまで落ちていた。残照に浮かび上がる山並みはまだ紅葉には早いがそれでも燃え立つような色合いだった。
 幽玄の滝を過ぎた頃にはいよいよ闇が濃くなりヘッドランプのお世話になった。疲れた身体と闇のせいか下っているはずの登山道が登っているように思えて仕方がなかった。

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