雪の深くついた貝月ゲレンデを登っていく。
稜線上は雪庇が発達している。
美しい造形を見せる小貝月ピーク。
貝月までの最後の稜線を登る。
最後は短いが気持ちのいい沢を滑って終了。
センター試験の受験生を大いに悩ませた寒波はここ西濃地区でも猛威を振るった。 実は16日にはOSKの山行を計画していた。リーダーはなんと僕。リーダーらしく早く集合場所に行かなくてはと早めに起床して外に出てみて「えーっ!」
積雪はそれほどではない。10㎝程か。しかし尋常ではない降り方をしている。横殴りの雪。これはちょっとまずいのでは。しかしその時点ではまだ山行を中止にしようとは思っていなかった。
出発の準備を終えた頃携帯が鳴った。「見る見る積雪して車が出せないから行く事ができない。」関ヶ原に住む参加メンバーからのこの連絡で気持ちは決まった。中止にしよう。
参加予定メンバーに中止の連絡をし終え一息ついて外を見る。「え!」なんと青空が見えているではないか。風もない。先ほどより随分穏やかな天候になった。これはもしかして山に行けるのでは。そんな気持ちがむくむくと膨らんでくる。しかし今更中止にした山行をぶり返すわけにもいかずそばつるに連絡をしてみた。
そばつるは中止になった山行の代わりに一人でゲレンデに行ってスキーの練習をしようと思っていたらしい。これはおあつらえ向き。貝月に向かえば山がダメでもゲレンデで滑る事はできる。話は決まった。
そばつるの車で揖斐高原スキー場に向かう。道中、積雪はそれほどではないが路面は雪で白い。途中事故車が道を塞いでいた。
揖斐高原スキー場に着くと雪が降っていた。路面は真っ白。しかし駐車場にはすでに結構な台数の車が停まっていてスキーやボードの準備をしていた。
降る雪が煩わしいなと思いながら準備を整え営業をしていない貝月ゲレンデへ向かった。このゲレンデを登っていって最頂部から貝月山に向かう稜線上の登山道に入るつもりだ。
圧雪されてないゲレンデは僕の幅広の板でも膝下まで潜る状態。そこをジグザグにラッセルしながら登っていくと結構息が切れる。斜度が緩くなったところで先頭をそばつると交替してもらう。
ゲレンデ最頂部には避難小屋があるがここは立ち寄らずそのまま登山道筋に入る。ここからは再び僕が前を行く。登山道は広く切り開かれているので歩きやすい。風が運び去る為か積雪もそれほどなくしまっていてスキーも沈まない。
時折吹き過ぎる風はかなり強い。右手の樹林を突き抜けてきて左へと吹き抜ける。運ばれた雪が目の前を真横に流れていく。先に進むとこの運ばれた雪で出来たであろう雪庇が登山道に発達しいて通るのが難しいところもあった。そういうところは樹林帯の中に入ったりして巻いて越えた。
時折、雲が去って視界が晴れると樹間から近辺の山々が姿を現す。特に真っ白に染まった天狗山が見えた時にはそばつると二人思わず感嘆の声をあげた。
上部にいくと積雪は増えるが稜線上ではスキーはそれほど沈まない。しかし吹きだまった斜面などでは膝辺りまでもぐってなかなか大変だ。
貝月谷左俣の源頭部辺りにはなかなかいい斜面があって一滑りしたら楽しそうだが今日はそんな余裕はない。この辺りから小貝月近辺までは比較的穏やかな地形のようなのでそばつるに先に行ってもらう。これで随分楽させてもらって体力が回復した。
雪の小貝月はいい感じのピークだ。雪のつき方が美しくスキーを踏み入れるのがもったいないくらいだ。しかしこれを越えていかなければ貝月には着けない。
小貝月を越えると薮の急斜面をわずかに下る。次のおだやかなピークを過ぎて北西に進路を取る。ここが少し分かりづらい尾根だったのでちょっと迷いGPSのお世話になった。
穏やかにのぼる稜線をラッセルして行くと貝月山まではもう少し。手前のピークから樹林の中をトラバース気味に渡って一登りすると展望台のある貝月山三角点に出た。
晴れていれば奥美濃の好展望地だが今日はそれを望むべくもない。今歩いてきた方向にうっすらと小貝月の姿が見えるだけだ。風を避けて展望台の下に潜り込み休憩。しかし時間が押してきているのでわずかな食事をしただけで下山を開始する。
下山はどの尾根を下るか迷ったが一番早く林道に降りられそうな「ふれあいの森」からの登山道がある尾根を下る事にした。
シールを剥がしていざ滑降。尾根に出てみるとやせ尾根で登山道の切り開き以外は灌木が茂っている。また右に雪庇ができており踏み抜かない様に気をつけないといけないだろう。
思いっきりは滑れないがそれでも降りて行く事はできる。しばらく我慢の滑りが続くがやがて尾根が広くなってくると樹間も広くなり楽しく滑り降りる事ができる様になった。で調子に乗って滑って登山道筋から離れてしまいトラバース気味に後戻り。しかしその途中に面白そうな沢を見つけてここを滑り降りていった。距離は短かったがなかなか楽しい滑りができた。最後も目的の林道に降りる事ができ偶然だったがいいルート取りとなった。
林道は新雪が積もった状態でスキーは全く滑らない。仕方がないのでヒールをフリーにしてラッセル状態で下っていく。これがなかなか骨が折れた。
林道を下ってスキー場に到着してびっくり。こちら側のゲレンデは営業していないのだ。というわけでここでも営業しているゲレンデまで新雪をラッセル。今日はスキーできながらラッセルばかりしている。でもこういうスキー山行もいいか。最後は緩やかなゲレンデを駐車場まで一滑り。辺りはうっすらと暗くなりかけていた。