雪の消えた鈴鹿スカイラインを歩いていく。
雪のつく藤内沢を急登。
第三ルンゼは他にパーティがなくザイルを設置。
思い思いに登っていく。
氷壁の上から眺めると随分高く感じる。
回を重ねるごとに登り方が上手くなっていく。
今回はOSKの山行で御在所岳第三ルンゼに出かけた。僕にとっては初めてのアイスクライミング。外面は平然としているが内心はドキドキで御在所岳に向かった。
鈴鹿スカイラインは現在冬期通行止め。車止め前には既に何台かの車が停められていた。あいている場所に駐車し車止めを越えて鈴鹿スカイラインを歩いていく。今年は強い寒波が来て雪が多いかと思いきやこのところのぽかぽか陽気で雪は大分溶けてきているようだ。氷は大丈夫なのだろうか。
トレースが踏み固められていて滑るので藤内小屋でアイゼンを装着し藤内沢に入っていく。流石にここはまだ雪が多い。右手に昨年秋、りゅうさんに連れていってもらった前尾根を見ながら急斜面についたトレースを辿っていく。氷柱を越える時に足が滑って危うく滑落しそうになり同行のSGさんに助けてもらった。焦ったがその他は特に難しくもなく登っていけた。
途中、単独の男性が一生懸命雪面を払っていた。何をしているのか聞くと前の週に尻セードをしてしていたらデジカメを落としてしまいそれを探しているのだそうだ。みなさん、お互い落とし物には気をつけましょう。
急登が連続し上げる足が重く感じる様になった頃ようやく第三ルンゼに到着。車止めに停まっていた車の数から先行のパーティがいるのではないかと話していたがまだ誰もいなかった。
まずはリーダーのSさんがトップで登りロープを設置に行く。がここでアクシデント。氷壁の真ん中程まで登ったところでアイスバイルが外れ滑落。あわや、と思ったが怪我も強打も特になくホッと胸を撫で下ろす。
改めてSさんがロープを設置に行く。二本目はOSKの新人ながらアイスクライミングの経験豊かなI君が設置。Sさんの滑落を見た後だけに緊張したようだ。
アイスバイルの使い方、アイゼンワークの講習後トップロープで安全確保しながらアイスクライミングの実践が始まる。
まずは経験者が次々と登っていく。それを見ながら僕をはじめ初心者は感嘆しきり。ロープが空くと「H行け」の声がかかりハーネスにおずおずとロープを結ぶ。そして青々とした氷の壁に向かう。大丈夫かなあ。
右手のバイルを氷に打ち込んでみる。これで利いているのかなあと思いつつ体重を徐々にかけてみるとなんとか引っかかっているみたい。今度は左。う~ん、なんだか真っすぐ打ち込めない。何回かやってみて引っ張ってみる。なんとか引っかかったみたい。恐る恐る体重を載せてみる。お!身体が持ち上がるぞ。こんな感じで一本目はゆっくり登っていった。バイルがなかなか信用できなくて変なところに力が入り疲れた。
他のメンバーも次々に氷に向かっていく。みんなファイトがある。参加メンバーのほとんどがアラ還とは思えない元気のよさだ。圧倒されてしまう。
例年、ここ第3ルンゼは冷たい風が吹き上げてきてかなりの寒さだらしい。その中でクライミングの順番を待つのは大変だそうだ。特に今年は参加人数が10名と多い為待ち時間の心配をしていたが今年は何時になく温かいらしい。だから順番待ちも苦にならないし身体が動くからやる気も沸いてくるというもので各メンバーともどんどん登って数本のクライミングをこなした。
初めてのバイルや氷の壁に戸惑いを感じながらぎこちなく登り始めたが回を重ねるごとにバイルを信頼できるようになり扱いも馴染んできて登るのも余裕が出てきた。少し難しいルートも登ってみる。なかなか楽しい。
他のメンバーも同じようにレベルの高い壁に挑戦していく。下から見上げているメンバーからアドバイスやらヤジやら分からないかけ声がかかり思わず笑いも起こる。休憩を挟んで4時間に及んだ初めてのアイスクライミングはリラックスした雰囲気の中でとても楽しいものとなった。