1005ohiwatani of 鈴鹿・美濃の山歩き

P5162333.JPG大岩谷〜宮指路岳
 
2010年5月16日(日)曇り後晴れ 大岩谷~宮指路岳 鈴鹿小岐須渓谷 沢歩き 
そばつる Tsutomu 

6:40 山の家駐車場 → 7:05 大石橋 → 8:10 白滝→
10:00~25 大岩 → 11:10~12:55 宮指路岳馬の背岩 →
14:00 大石橋 → 14:30 山の家駐車場



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小岐須渓谷につく林道は途中で土砂崩れがあり通行止めになっていた。

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大岩谷に入って最初に出合う滝はなんともいい雰囲気。

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思わず水流の中を登ってみたくなる滝。でも僕はパス。

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豪快な白滝。落差は40m程だろうか。

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深い渕を持った滝も現れ沢登り気分も盛り上がる。

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大岩への直登沢に入ると水も随分細くなる。

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さほどの難場もなくどんどん登っていく。

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最後は風化してざらざらの岩場を登っていく。

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眼前に見える朝日岳の眺めがすばらしい。

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宮指路岳で馬ノ背岩に立って鈴鹿を一望。

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この日ヤケギ谷を登ってきたリュウさん。照れ屋さんです。

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小岐須渓谷下流はすばらしい廊下となっていた。

 小岐須渓谷・大岩谷は昨秋とっちゃんと訪れたところだ。その時はとっちゃんは沢歩きをしたかったらしいのだが僕の方はもう気持ちが沢から離れていた為に登山道歩きとなった。
 登山道を歩いて大岩谷からイワクラ尾根にのり県境尾根の大岩に向かった。やがて着いた大岩は季節柄少し寒かったが眺めはすばらしく好きな場所となった。その時いつかこの場所に沢から直接あがってみたいものだと思った。
 地形図を見ると大岩に向かって明確な沢がある。が崩壊地のマークやら崖のマークやらが賑やかでなかなか難しそうな感じだ。生半可な気持ちで向かえばとんだしっぺ返しを食らうかもしれない。それでも今年の沢はじめは是非ここにしようと思っていた。
 山スキーでの滑落後遺症のため昨年までに比べて随分遅い沢はじめとなった。今の自分の身体で沢ができるのか。その答えを得るべく一人で行く予定だったが前々日そばつるから連絡が入り一緒に行くことになった。怪我の身には心強い味方だ。
 大石橋まで車を乗り入れる予定だったが小岐須渓谷は山の家から通行止めとなっていた。何故だかわからないが山の家の駐車場がなぜか3分の1くらいのスペースになっていて車が数台しか停まれない状態だった。しかし先客は一台しかなく僕達はその横に停めさせてもらった。
 準備をしていると隣の車の方は入道ケ岳に向かって歩いていった。単独の登山者のようだ。汚れた登山靴が山をよく歩いている事を語っていた。
 準備を整えいざ出発。大石橋までの道は車で通過した事しかなく歩くのは初めてだ。のんびり歩くと車で通った時にはわからなかった様々な事がわかって面白い。一番驚いたのは何気なく通っていた道だったが予想以上に切り立ったところに付けられていてそこからのぞく谷も深いという事。よくこんなところに道を付けたもんだと思う程だ。それとやたらと目につく崖用の防護ネット。それだけ岩が崩れやすいところという事だ。気軽に行っていた大石橋だったが少し見方が変わった。
 途中、土砂崩れの跡があった。この撤去工事の為に通行止めになっているのだ。この工事もどうやら7月には終わるようで夏休みの避暑シーズンにはまた大石橋まで入れるようになるのだろう。
 大石橋を渡って右への林道をわずかに歩くと堰堤の前で沢に下りる。ここで沢装束になって堰堤を越えていよいよ沢歩きの始まりとなった。
 すぐに小さな滝が現れる。何年か前に松ノ木谷を下った時に最後にこの滝を見て小さいけど感じがいいなと思ったものだ。その感じの良さは今も残っていた。ただ淵が真砂土により埋まって小さくなっていたのが残念だ。
 ゴーロの谷を進むと茶色い肌をした3m程の滑り台状の滝が現れる。簡単に巻けるのだが水流の中を登ってみたくなる滝だ。で挑戦してみたのだがどうにも滑落でやった左肩が怖くてホールドを探れない。しばらく立ち尽くして悩んだが結局諦めた。そばつるはここを難なく越していった。こういうところを克服していかないと今後沢には入れなくなりそうだ。
 松ノ木谷の出合を越えて更に進んでいくと大きな淵の滝に出る。その落ち口の向こうに更に大きな滝がのぞいている。どうやらそれが白滝のようだ。
 手前の滝を右から巻いて白滝の前に出る。白滝は横幅も高さもあって迫力がある。落差は40m程だろうか。しばらくそばつるとともに見入っていた。
 こんな滝を登っていく人もいるんだろうなとそばつると話していると滝の右側に残置ハーケンが見えた。やはり登っていく人がいるのだ。僕らにはとても無理な話だが。
 左岸にある踏み跡を辿って白滝を巻いていく。2段滝の中段がいいという情報を得ていたので下りてみたかったがそばつるが乗り気でなくそのまま落ち口まで登った。
 白滝の上は小滝がそこそこにあり面白い。緑色の深い縁をもった滝もあり中々の雰囲気だ。最後に現れた大滝はこれも僕らには手に負えそうもなく左岸側を巻いて越していった。
 沢はやがて二俣となりここは右に進んでいく。少し進んだところの左手に現れる沢が今回目指す大岩への直登沢だ。
 直登沢の水流はわずかですぐに涸れるのではないかと思ったが意外と奥まで続いていた。ゴーロ状の沢を進んでいくと地形図にあるように沢幅は狭くなり両側が切り立ってくる。しかし明るい沢でそれほど威圧感は感じない。斜度も思った程ではなかった。滝も大きなものはなくいずれも難なく登る事ができた。
 源流部に近づくとどちらを選ぶか迷う二俣が幾つか現れる。こういうところではGPSが威力を発揮。大岩の方向へ右へ右へと進んでいく。
 最後の二俣を右へとったところでそろそろ大岩が見えるはずだけどなあとそばつると話しながら右手を見るとそこには巨大な岩壁が。知らないうちに大岩の下まで来ていたのだ。
 岩壁を見て登るかどうか躊躇したが結局登る事にした。そばつるがトップでどんどん登っていく。こちらは彼が落ちてきたら登るのをやめようと下で待っていたが落ちてくる気配がない。仕方ないので意を決して登り始める。
 花崗岩の岩だが風化の為岩肌はもろくなっている。そこを何とか辿って上に向かう。登っているときは比較的楽だったが登った後に登ってきたところをみたら目が回りそうだった。今登ったところを下りろ、と言われても絶対に下りられない。
 念願かなっての大岩直登。やったーの思いが強かったがそばつるは意外と冷ややかな表情だ。沢自体は難しいところもなかったからそれもやむを得ないか。
 大岩で休憩してもいいなと思っていたが何せ時間が早い。ということでそばつるがまだ訪れた事のない宮指路岳までいって休憩をとる事にした。
 宮指路岳までの県境稜線からは先ほど登った大岩の岩肌が見える。県境側から見るとよくあんなところを登ったものだと思える。ギャラリーがいたとしたらどう映っただろう。
 県境稜線はアップダウンがあるものの比較的歩きやすく気持ちもいい。鈴鹿らしい尾根歩きができた。ふだんならこの県境でも多くの登山者と行き違うはずだが通行止めの影響だろうかあまり人に出会わなかった。
 小岐須峠を過ぎて急斜面を一登りすると宮指路岳、馬ノ背岩の広場に出た。ここで荷物をおろし休憩。のどかな初夏の風景を見ながら気持ちのいいときを過ごした。
 こんないい日なのに誰もこないなと話していると宮指路岳三角点の方から人影がやってきた。その方を見ると、おっ!知っている顔ではありませんか!
 なんとリュウさんがヤケキ谷から登ってきたのだ(リュウさんは会うしな「兎夢さん!」と呼んでくれたのだが僕の方はリュウさんの名前を失してしまっていて失礼をしてしまった。話しているうちに思い出したけどね)。なんとこちらと同じく沢登りとの事。話を聞くとヤケキ谷もなかなか面白そう。またここへ訪れる理由ができた。
 久し振りにたっぷりと休憩をとって下山は小岐須峠からカワラコバ谷への登山道を下っていった。カワラコバってどこだろうと思いながら下ったが結局正体はわからなかった。途中、かなりの落差の立派な滝があった。リュウさんはその滝を興味津々という感じでしばらく眺めていた。いずれ登るつもりなのだろうか。
 登山道を下りきると後は朝と同じ道を逆に辿るだけ。山の家までの道中には屏風岩の表示がしてあるところがある。何度も来てその表示が気になっていたがそこへ入っていった事はない。この際だからそこから屏風岩の方へ下りてみる。そこには両岸の切り立ったすばらし廊下があった。これまでは見過ごしてきたところだ。改めて小岐須渓谷の奥深さを知る思いだった。
 今年の沢はじめはいろんな事があり楽しいものとなった。ただ不安は左肩、左腕の事。はたしてこの状態で滝登りを含む沢歩きができるのだろうか。その答えはもう少し先になりそうだ。

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