1007kodakamiyama of 鈴鹿・美濃の山歩き

P7042952.JPG己高山

2010年7月4日(日)曇り 己高山 湖北 山歩き そばつる Tsutomu

9:20 己高山登山口駐車地 → 10:10 六地蔵 → 
11:00 鶏足時跡 →11:20~12:20 己高山山頂 → 
13:00 六地蔵 → 13:30 駐車地



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林道を歩いていくと右手山腹に登山道が現れた。

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登山道は古い道のようで深く掘れていた。

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送電線鉄塔付近は切り開かれていて見晴らしがいい。

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登山道傍らに毒々しいキノコ。食べられると聞いたが…

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六地蔵は前を行く登山者を見守るように立つ。

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「牛留め」の展望所は晴れていれば琵琶湖の眺めが良さそうだ。

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鶏足寺跡は歴史の中にひっそりと眠っている。

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山頂は樹林に覆われ展望はない。

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今回は長靴と傘での山行。

 これで何週山の計画が流れたのだろう。今週もまた雨の為に山行が中止となった。しかしそうなると空はもちそうな雰囲気になるのが常。うまくいかないものである。また今週も軽く行ける山を探そうとガイドブックを見ているとそばつるから「可児の鳩吹山にいく」というメール。渡りに舟とばかりに同行させてもらう事にした。
 先週に引き続き長靴に傘という簡単な格好で行く事にしてそばつるの車で出発。空を見ると徐々に晴れてくる様子。これはいい山歩きができそうだ。と思いながら登山ガイドを見ているといつの間にかフロントガラスに山並みが映っている。可児へ向かうならこんな山並みは見えないはずなのに。注意してみると右手にはどうやら先週登った菩提山らしき姿が見える。こ、これはどういう事だ。可児へ向かうなら東へ行かなきゃならないのにどうやら車は西へ向かっているらしい。ドライバーのそばつるの顔を不安げに覗き込むと彼はにやりと笑いこう言った。「気の毒だが気が変わった。湖北の己高山に向かう。」
 こだかみやま?どこの山なんだ。字すらわからない。登山道はあるのか、果してそこは長靴と傘というこんな出で立ちで登れるところなのか。疑問が次から次へと湧き出てくるがそれらの疑問を投げかけて答えてもらえるような雰囲気はなかった。そばつるの車に乗っている以上できる事は彼に身を任せる事だけだった。
 メールが来た時からこれはそばつるが仕掛けた罠だったのかもしれない。歩きやすそうな鳩吹山で誘って長靴と傘で来るように仕向ける。そして自分の車に乗せ難しい山へ連れていきそこを長靴と傘で登らせる。長靴では難しい山は歩きにくい。雨が降って雨具が傘なら尚更難しくなる。それを僕に味わわせる事によって今までの山行でたまってきた僕に対する恨みつらみを晴らそうとしているに違いない。そう気付いたが時はすでに遅い。車は木之本を過ぎて己高山の登山口のある林道へと入っていった。
 己高山の登山口近くには車一台やっと置ける位のスペースがありそこに車を停めて出発。これからそばつるからどんな仕置きを受けるのだろうか。いい知れぬ不安が胸の中で渦巻いていた。そんな僕の気持ちを表すかのように増水した谷は濁流となり荒れていた。
 登山口には標識が多数立っており分かりやすい。ここから尾根へと取り付くみたいだ。先を行くそばつるにそろそろと付いていく。その時ふと彼の足下を見た。あ、あれ?彼の足下は登山靴じゃないぞ。なんと僕と同じく長靴じゃないか。僕に恨みつらみを果たそうとするのに自分も歩きにくい長靴を履いているとはどうも解せない。そこでそばつるに思い切って聞いてみた。「なんで己高山に?」
 彼によればもともとこの山に来たかったのだが天気が良くなさそうだったので鳩吹山に行く事にした。でも出発してから空を見ると天気は回復傾向に見えたので己高山に行けるんじゃないかと方向転換した。実際こちらに来てみると道も乾いているし行ける事に確信を持ったとの事だった。登山道も整備されているようだから長靴でも平気だと思っていたようだ。
「気の毒だがと言った意味は?」
 助手席で一生懸命に鳩吹山のガイドを見ているのを見て行き先を変えて悪いなと思って言った一言。特に深い意味があったわけではないとの事だった。
 ほっ。そばつるに対して抱いていた疑いは僕の勘違いだったようだ。よかった。これで今日も楽しく山歩きができそうだ。
 それでは普通に登山レポ。
 登山道は尾根筋の雑木林の中を進んでいく。この尾根は昔から人に歩かれていたようで深い溝になった道型のようなものが尾根筋にある。しかしそこは今は歩きづらいようでその脇の高くなったところを歩いていく。
 道は良く踏まれておりそれほど急斜面もない為ホームセンターで安く購入した長靴でも難なく歩いていける。途中、送電線鉄塔近くを通るがそこは切り開かれており見晴らしがいい。
 片手に傘を持って登っているのだがどうやら杖として使うだけで終わるようだ。主稜線近くはガスがかかっているが恐らく降ってくる事はないだろう。
 四合目辺りで登山道脇に毒々しいキノコがあった。オレンジ色で太くてずんぐりしている。結構多く見かけたが見るからに毒キノコといった雰囲気だった。
 覆い被さった笹を分けて進むと六地蔵の広場に出る。もともとここは何か建物が建っていたのだろう。そのように整地されている感じだ。その真ん中辺りにお地蔵さんが横一列に並んでいる。分県ガイドによると近江では一番古い地蔵と言われているようだ。
 谷筋からの登山道の出合を過ぎると尾根上に岩場が現れる。そこには「馬止め」の標識が立っていた。岩があって馬はこれ以上行けませんよという事だろうか。「馬止め」を越えるとすぐに今度は「牛留め」という標識があった。なんで馬がさっきのところで止まって牛はここで止まるのかその差がよくわからなかったが馬も牛もこの先の岩場を越えるのはちょっと難しそうだった。
 「牛留め」は展望所になっており切り開きからガスのかかった琵琶湖を見る事ができた。晴れていればさぞかし眺めがいい事だろう。
 登山道はやがて尾根の右側をトラバースするように水平に進むようになる。道なりに進んでいくと開けた草むらに出る。そこが鶏足寺跡だ。規模の大きい寺だったようで整地されたらしい範囲はかなり広い。中央辺りに説明書きと復元図があったが古代から中世にかけて隆盛を誇っていたようだ。
 鶏足寺跡を後にして登山道を進むとすぐに左折して急斜面に取り付く。本日の行程で一番の急斜面だ。ここを滑らないように足下に気をつけて登っていくと一登りで広々とした山頂に出る。
 山頂は植林と自然林が相まっていて展望は得られない。もっとも本日はガスがかかっていて樹林がなくても展望は得られないが。三角点の近くにある切り開きに立ってみたが見えるのは乳白色の空間だけだった。
 三角点近くに腰掛けて休憩。天候には恵まれていないがそれなりに楽しい山歩きだ。
 その内に出発前に駐車地近くで僕らを抜いていったグループが登ってきた。先行していたのにどこでも会わないのでどうしたのかなと思っていたのだ。話を聞くとどうやら道を間違えて引き返していたらしい。そのグループはわずかに休憩してすぐに下山していった。しかしこんな天気に登ってくる人が他にもいるとは。
 下山は往路をそのまま降りていった。尾根伝いに周回ルートがあるらしいのだが足下が長靴である事が不安でまだ知らないルートに足を踏み入れる事は躊躇われた。
 2回目の長靴での山歩きだったが登山道が整備されている状態なら思ったより歩きやすい事が分かった。歩行時間も前回より長かったが足にこれといった負担も感じなかった。これからちょっと長靴にはまりそうだ。


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