敬神の滝小屋は開いていなかったが前に小川が流れいい感じ。
植林帯の緩やかな登山道を歩いていく。
斜度を増してくると巨木が目立つようになる。
やっとの事で金懸小屋まで重い荷物をあげる。
朝陽を浴びた御嶽山が美しい。
麦草山の南面は荒々しく崩壊している。
鞍部を越えれば木曽駒ヶ岳。
山頂は大勢の登山客で賑わっていた。
下山は往路を下る。
1日目
連休を利用して僕にしては珍しく中央アルプスでの夏山登山を楽しんできた。
岐南でEさんが用意してくれたワンボックスに乗り合わせて出発。好天の連休で中央高速も混んでいるかと思ったが意外とスムーズに進んだ。中津川のJRで名古屋の天白から来られたAさんと合流しR19を北上。途中Eさんお勧めのそば屋で昼食を採る。ざるそばをいただいたが汁も麺も美味しかった。
上松から国道を離れ登山口を目指す。上松Aコースの新しい登山口に行こうとして少し迷ったがなんとか着いて準備。駐車スペースには数台の車が停まっていた。
ゲートを越えて林道を敬神の滝小屋を目指して歩いていく。梅雨明した空から降り注ぐ日差しが暑い。
林道脇にひっそりと立つ敬神の滝小屋はうっかりすると見逃しそうな感じだ。上松Aコースの登山道は小屋の前の小川沿いを奥に進んでいく。小川の奥には敬神の滝があるが登山道はその手前で左岸側にあがっていくので残念ながらお目にかかれなかった。
登山道は良く整備されている。穏やかな斜面にまだ若くて細い檜の植林帯が続いている。やがて斜度を増してくると太くてまっすぐ天を突くように伸びる檜が目立つようになる。どこかのお宮へ寄進する為の檜を育てているのだろうか。そう思える程立派なものだ。
やがて周りは雑木の樹林になっていく。かなりの急斜面だがそこを九十九折りに進んでいく登山道は穏やかな上りだ。それでも一泊分の荷物の入った(それも宴会目的の)ザックは流石に重く20分おきに休憩。途中で重いザックの人の荷物を分け合ったりしてゆっくりと登っていく。
尾根筋を進んでいくようになると眼前に大きな岩が現れた。その岩の前を右に曲がると金懸小屋に到着。単独の先客者が既に荷物を降ろしていた。
金懸小屋は無人だがログハウス風の小屋でなかなかきれいだ。平成八年の築らしいがまだまだ新しい。小屋から西の方角は見晴らしが良く御嶽山が青い空の下に見える。
小屋の中で就寝する場所だけ確保して時間が早いがさっそく宴会開始。宴会会場は小屋の前の広場。酒豪ばかりという話だったがなるほどみなさんすばらしいのみっぷり。きつい酒が結構あったはずだが気付けばいずれも空になっていた。Gさんが用意してくれた料理に舌鼓を打ちながら更けていく夜の中でとりとめのない話に花が咲き時間はいつの間にか9時半。さあ寝ましょう。
2日目
4時頃、誰からともなく起き始める。出発予定時間は4時半だがちょっときついよ。結局5時の出発になった。
朝陽をあびて雲海に浮かぶ御嶽山がとてもきれいだ。これだけで帰ってもいいなあの気分にさせてくれる。しかし今回の本番はこれから。
小屋からわずかに進んだところに水場があった。「これやったら重い水を担ぎ上げなくてもよかったなあ」のSさんの言葉に頷いたものの晴天が続いた後は涸れている可能性がありそうだ。水質は良く冷たくて美味しかった。
登山道は雑木林の尾根を進んでいく。見晴らしのよいところから見えるのは三沢岳。その下部には滝が幾筋か見えた。
遠見場という展望所からは御嶽と乗鞍が見えた。そこからすぐに天の岩戸という大きな岩に到着。その上部が七合目でここもいい展望所になっていた。
高度が上がると様々な花も姿を見せるようになった。花に疎いので名前が分からないものが多いがいずれも派手ではないが華麗な花を咲かせている。
8合目を過ぎると樹林が低くなり尾根の左右の見晴らしがよくなる。左手には麦草岳。その山腹はがれ落ちていて恐ろしげな感じだ。右手を見ると宝剣岳から三沢岳へと続く稜線が青空の下に横たわってこちらにしきりに誘いかけている。途中、足下を見るとクロユリが咲いていた。
岩場を越えると木曽前岳。そこからわずかに進んでいくと岩陰にエーデルワイス。教えてもらって初めて知ったのだが可憐な花だった。
一旦下って玉の窪小屋前で休憩。近くにはまだ雪がわずかながら残っていた。ここで出会った若いベアの登山者は前々日から登山をしていてこの日は福島Bコースを登ってきたそうだ。その体力に感心。登り口では熊を2頭見かけたらしい。
玉の窪小屋から山頂まで後わずか。岩間の登山道を辿っていくと山頂木曽小屋を経て山頂へ。山頂広場はかなりの人で賑わっていた。それまでの行程が結構静かだっただけにギャップに面食らった。
山頂からの展望のすばらしさは言うに及ばず。富士山もくっきりと見る事ができた。はじめての中央アルプス夏山登山のクライマックスに相応しい。「こういう風景が奥美濃にはないところだね」とはGさんの言葉。ごもっとも。
山頂をわずかな時間で後にして落ち着く山頂木曽小屋で休憩とした。僕は自前のカップ麺とビールで食事。後の方は小屋で食料を調達。露天のベンチで景色を見ながらの休憩となった。
下山は木曽前岳を巻いていく山腹ルートで下っていく。このルートは小屋のおじさんが言っていた通り道が荒れていた。それに一部、稜線のルートより斜度のきついところを行くので登りには向かない感じだ。
8合目手前で稜線に復帰して後は往路を下っていく。金懸小屋でデポしておいた荷物を拾うと下りでもちょっときつくなった。気温も高くて下るのに飽き飽きした頃敬神の滝小屋に到着。あとは林道をひと歩きして駐車地に着いた。残っていた車は他に一台切りだった。