一日目は天候がよくない中をあかっぱげに向かう。まだ雪量は少ない。
登山道途中の広場にテントを設営。
あかっぱげの斜面で滑落停止訓練。
二日目は快晴。青空に浮かぶ稜線がきれいだ。
振り返れば朝陽に映し出された三笠山のシルエットが美しい。
夏道沿いに歩を進めていく。
八丁ダルミの強風を越えて剣ケ峰へ。
山頂はすばらしい眺めだった。
一ノ池斜面で雪上訓練を行う。
下山時、沢の中を歩いてみた。雪量がありすぐにでもスキーができそうだ。
猛暑の中で沢歩きをしていたのがついこないだのようだったが季節はすでに冬。雪を楽しむ頃となった。
この時季、OSKでは御嶽山で冬山技術講習会を行うのが恒例となっている。僕自身は今年で3年連続3回目の参加。天候に左右される為、なかなか思うような訓練ができない事もあったが今年はどうだろうか。
今年の計画が立てられた頃には昨年と同じ黒沢口から御嶽に取り付く予定だったが利用しようとしていた御嶽ロープウェイが冬期休業。そこでスキー場のゴンドラが利用できる王滝口からの取り付きとなった。
大垣からの道中、小雨がフロントガラスを濡らす事もあり天候が危ぶまれた。スキー場に着いた頃には雨はやんでいたが御嶽山はガスの中に隠れていた。
スキー場は先週からオープンしているらしくシーズン初めの雪を楽しむスキーヤー、ボーダーでにぎわっていた。その中を場違いな格好をした12人のパーティで進むとちょっと奇異なものを見る視線を感じずにはいられない。
ゴンドラ終点の御笠の森駅から田の原の駐車場に向かって下りていく。田の原の駐車場は積雪はほとんどなく続く登山道も雪が少なく左右の笹が顔を出していた。それでも雪上歩行訓練としてワッパをはいた。
あかっぱげの手前に登山道ながらテント二張り分の平らなスペースがありそこにテントを設営。設営途中、気の早い山スキーのアベックが登山道をシールで登っていった。ちょっと羨ましかったがこんなガスった日では楽しくないだろうと思っているとほどなく引き返してきた。
テント設営後はあかっぱげで滑落停止訓練。何度となく繰り返してやるうちに昨年に比べて進歩したような気がしてきた。滑落停止訓練の後は付近を自由に歩いて雪上歩行練習。その後テントにかえってお楽しみの始まり。
今回からOSKの新しいメンバーとしてmasaさんが加わった。彼はOSKにしては異例の若さでしかも下戸。このテン泊の雰囲気について来れるかと心配だったが十分打ち解けていてホッ。
masaさんの山行記録には興味深いものが多数ある。特に奥美濃の沢の記録は惹かれるものがある。これを機会に今後お付き合い願いたいと思う。
2日目、テントの中で朝食を終え外に出てみるとびっくりする程の青空が広がっていた。前日はガスの中に姿を隠していた御嶽の稜線も鮮やかに見える。東を見ると中央アルプスの山並み。今まさに陽の出を迎えて山際よりダイヤモンドリングが煌めく。今日はいい山行ができそうだ。
背中に朝陽を浴びてテン場をスタート。風もなく春を思わせるような天気だがピッケルを握る手は冷たい。
赤っぱげの上部は広々とした斜面となり雪がついていればスキーにとっては絶好の場所となるのだがまだ雪が少なくブッシュがそこかしこに出ている。
夏道を辿って尾根上に出るとそこから振り返った眺めがすばらしかった。独立峰がもつ眺めの好さだろう。
8合目からはワカンをアイゼンに切り替えた。所々クラストしたところが出てくる。しかし全体に雪は少なめで岩を踏む事が多かった。アルミアイゼンの僕はヒヤヒヤしながら歩いていた。
我々の前後を多くの登山パーティが歩いていく。これだけ天気がよければ登山日和というわけだろう。
登山者が多い理由は天気の他に黒沢口からはロープウェイの休業で登りにくくなったという事も考えられるかもしれない。本来黒沢口から登ろうとしていた登山者がこちらに流れているのではないだろうか。そういう我々自体も黒沢口から流れてきたパーティだ。
高度を上げると王滝頂上の建物が見えてくる。そこから下っている沢筋は雪に埋もれていて今でもスキーができそうな雰囲気だ。
王滝頂上に近づくと風が出てきた。更に王滝頂上を越えて八丁ダルミにいたると風は強さを増し踏ん張らないとよろけてしまう程だった。
烈風の八丁ダルミを過ぎ一登りで剣ケ峰に到着。ここはほぼ遮るもののない眺望が広がる。北アから中央、南ア、白山、そして今年も富士山の頭がきれいに見えた。
腹ごしらえをしてから一ノ池の斜面に場所を移してアイゼン歩行、滑落停止、ロープワークなどの訓練を行った。昨年よりより充実した感じで勉強になった。
下山は好きなところを歩いてよしというリーダーの言葉に甘えさせてもらって沢筋を下っていった。雪が適度にあって今でもスキーが十分できそうだ。
テントを撤収して楽しく充実した二日間の冬山技術講習会も終わりを迎えた。今シーズン初めての雪山でいい山行ができた。今シーズンにむけて期待に胸が膨らむ。