夏道をたどっていく。白谷上部はデブリの巣になっていた。
ブナの急斜面を登り終えると穏やかな尾根に。春に日差しを浴びてのスノートレックが楽しい。
左手には野谷荘司へ登る尾根が見える。意外と急斜面。
広い稜線に出ると奥に三方岩岳が見えてくる。
飛騨岩の迫力ある固まりが徐々に近づいてくる。
山頂は360°の大パノラマ。春の日差しの中でのんびり楽しめた。
雪がほどよく緩んできて急斜面も気持ちよく滑り込んでいける。
W女史も気持ち良さそうなシュプールを刻んでいく。
W女史から久し振りにメールが来た。
「土曜日、御嶽山・尺ナンゾに行きませんか?」
日曜日にも他から山に誘われており土曜日もというと2連チャンになる。
ちょっと躊躇したが土曜日は快晴の予報。
行っちゃおの虫がわき上がってくる。
ただしやはり翌日の事は気になるので行き先を三方岩山にしてもらった。
白山スーパー林道は料金所手前まで除雪されていた。
そこに車を置き出発。
見上げれば白谷上部の沢はデブリがすごい。
もう沢を滑るのは難しそうだ。
夏道登山道に沿って登る事にして出発。
白谷左岸を歩いていくとしばらくして雪が早くも切れた。
先が思いやられたが夏道のある沢はなんとか雪が繋がっていた。
やがて沢左手の急斜面をあがっていく。
ザラメ状の雪は踏ん張りが利きにくく横滑りする。
さっそくクトーの登場となった。
W女史とは昨年末に大日ケ岳に行って以来2度目の山行。
W女史の足取りはやはり力強い。
ともすると置いてかれがちになる。
これで今シーズンあまりスキーに行ってないというのだから驚きだ。
急斜面を登っていくと一旦スーパー林道の脇に出る。
斜面はすばらしいブナ林が広がっている。
ブナ林はやはり落ち着く。
しかし暑い。
ものすごい汗が吹き出てくる。
Tシャツ一枚でちょうどいい。
更に上に登ると緩やかな尾根にあがる。
右手を見ると蓮如台の穏やかな台地。
小屋の周辺にはスノーモービルの跡が縦横についている。
スキーの跡もいくつかあった。
雪は思った以上に豊富だ。
しかし、例年にくらべればこれでもかなり少ないのだろう。
雪割れはいろんなところで発生している。
先に進んで急登すると広い尾根に出る。
このあたりから奥に三方岩岳の岩峰がのぞめるようになった。
左手には野谷荘司までの尾根。
横から見ると思ったより急に見える。
三方岩岳の前山とも言うべき1590mピークへは無木立の尾根を急登。
穏やかなピークから一旦下り飛騨岩へ向かって最後の一登り。
徐々に飛騨岩の迫力ある固まりが近づいてくる。
飛騨岩の直下から右手の急斜面をトラバース。
先に斜面に入ったW女史は「こわい」と言いながらも難なくクリア。
さすがだ。
トラバース後は斜面を一登り。
斜面が切れると飛騨岩上の山頂だ。
やった!
すばらしい天候に恵まれて東は北アルプスから乗鞍岳、御嶽山。
西は白山連邦の大パノラマが広がる。
日差しはもう本格的な春。
風もなくてポカポカ陽気だ。
ビールが美味しい。
W女史は野谷荘司が気になるらしい。
地形図を見ながらアプローチの仕方なんかをしきりと検討している。
野谷荘司まで足を伸ばしたそうなのだ。
しかし、こちらは明日の事が気にかかるので我慢してもらう事にした。
ゆっくりめのランチタイムを終えてさあ滑降開始。
雪はいい具合に緩んで急斜面も気持ちよく滑っていける。
W女史も気持ち良さそうだ。
ここは滑り頃の谷がいくつかあり、登り返す時間と体力があれば更に楽しめそうだ。
しかし楽しい滑りはあっと言う間に終わる。
スーパー林道が近づいてくると楽しい斜面も終わり灌木が邪魔するようになる。
で後はスーパー林道に出た。
しかしこれが失敗だった。
スーパー林道は斜度がないのと雪質が悪いのとでスキーが全然進まない。
それに距離が長い。
これにはまいった。
おまけに下部では雪が切れてスキーを脱ぐはめに。
ヤブが出ていても登った沢を降りていくべきだった。
やっとの事で料金所につくとそこでは若い釣り客が釣りの準備をしていた。
これから谷に入るのだそうだ。
後からも釣り客と思われる車が入ってきた。
これからしばらくはここは釣り人で賑わうのかもしれない。
おまけ:結局、日曜日の山は中止になったとさ、チャンチャン。