0909kurashi of 鈴鹿・美濃の山歩き

IMG_0501.JPGクラシ〜お金明神

2009年9月19日(土)晴れ 鈴鹿 オゾ谷~クラシ~お金明神 山歩き 単独

7:20 朝明駐車場 → 8:30 中峠 → 9:25 オゾ谷出合 →
11:00~11:55 クラシ → 13:45〜14:25 お金明神 → 15:10 ヒロイ沢出合 →
16:05 ハト峰峠 → 17:00 朝明駐車場



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稜線上に青空が広がり天気は申し分ない。

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息を切らして辿り着いた中峠。少し風が強い。

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「危険つき」という表現が面白い立て看板。

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かつては青々とした深い淵だったのに…

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オゾ谷はそこそこの大きさの炭焼窯跡が結構ある。

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二俣の右側にかかった多段の滝。登れそうだがやめておこう。

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クラシ山頂は日を避けられないので脇の樹木下で休憩。風が強かった。

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お金明神までは尾根を辿る。意外と大変だった。

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お金明神の実物は結構迫力ある巨大な岩塊だった。

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愛知川は水量も少なく登山靴で容易に歩けた。

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最後のハト峰で本日初めて登山者を見かける。何故かホッとした。

病み上がり、というかまだ病み途中でちょっと体力が落ちている。
「病み」といっても子どものような胃腸風邪だが
しかし、その所為でここ2、3日まともに食事を摂ってない。
今週も山は止めかな。
と思っていると天候はすこぶるいいらしい。
行きたい気持ちでうずうずしてくる。

どうしよう。
とりあえず沢はこの体調じゃあきつい。
ということで久し振りに軽登山靴を持ち出して鈴鹿に向かった
行ってみようと思って行ってないオゾ谷の登山道を歩いてこよう。
そしてまだ見た事のないお金明神を見てこよう。

朝明駐車場にはまだ数台の車しかなかった。
車を入れておじさんに500円を払う。
準備をしているとおじさんが話しかけてきて
「釈迦ケ岳の新道を知っているか?」と聞いてきた。
おじさんによると新道は新聞に載ったという事だ。
山頂まで40分も早く行けるようになった、と自慢げだった。

7時20分、中峠に向かって歩き出す。
行く手の稜線上は青空が広がり申し分ない天気になりそうだ。

砂防学習ゾーンを過ぎて沢におり対岸から堰堤を巻くと中峠への登山道に出た。
ここも一昨年の豪雨でやられたのだろう。
下部ではまだ道が新しかった。

中峠までの急登がかなりきつい。
たぶん胃腸風邪で体力が落ちている所為だろう。
なんだか山歩きを始めた頃のようなしんどさだ。
先が思いやられる。

息を切らしながらやっと中峠に着く。
ザックをおろしてしばらく休憩。
晴れ渡っているが少し風が強い。

緩やかな下水晶谷を下っていく。
愛知川に出たところで目立つ立て看板があった。
「この先の鉄橋は、危険つき、渉れません。」
と赤字で書いてある。
「危険つき」という表現が気に入った。
これと同じ看板があと二つあったから書き間違いではないらしい。
でその「危険つき」の鉄橋を見に行った。

見た目は渉れそうな感じだ。
ちょっと手で揺らしてみる。
右手側がかなり揺れる。
のぞいてみると支えのH鋼が真ん中あたりで折れているようだ。
なるほど「危険つき」の鉄橋だ。
渉るのはよそう。

少し下ったところで本流を渡る。
本流から鉄橋の方を見てビックリ。
大瀞がない!
確か大瀞は鉄橋下にあったはずだが…
ここも豪雨で埋まってしまったのか。
深くていい感じだったのに。
今はトロ遺跡となってしまった…

愛知川左岸の登山道を進みオゾ谷出合に出る。
出合にはオゾ谷を示すパネルがあってわかりやすかった。

オゾ谷の踏み跡は沢を離れて左岸側の尾根中腹を進む。
谷を歩いているのに流れが見えないのでちょっとつまらない。
やがて流れに近づくと広々とした二俣に出る。
炭焼窯跡が印象的だ。

この辺りから踏み跡が薄くなり目印を見失わないようにして進む。
今日はできるだけ忠実に踏み跡を辿りたい。

沢が狭くなってくると次の二俣に出る。
右俣にはそこそこの滝がかかっている。
沢靴だったら容易に登れそうだ。
登山靴でも行けそうだが今日は行かない。

左俣はガレになっていて踏み跡はその中を進んでいく。
浮き石に気をつけながら目印を追っていく。

目印はやがて沢筋を離れ左岸側の尾根にあがっていく。
木立はあるが土の急斜面で結構大変そうだ。
体力の落ちた身体にはなおの事つらい。

少し登っては立ち止まり、少し登っては立ち止まり、を繰り返してようやく尾根上に出る。
そこからもしばらくはきつい登りが続く。
斜度が緩くなると山頂も近いだろうと思ったがそこから意外と距離があった。
それでも緩い斜面に足取りは軽い。

11時、荒野のような山頂に出る。
荒れている山頂は痛々しく見える。
この荒れ方は鹿の所為なのだろうか。

近くの樹林に荷物を降ろし休憩。
草の上に横たわると気持ちいい。
しかし風がちょっと強く身体が冷える。
羽織るものを持ってくれば良かった。

ビールで乾杯。
食事は流動食のようなものでごまかした。

一時間弱休憩して尾根通しでお金明神へ向かう。
地形図で見ると歩きやすそうに見える尾根だったが地形図に表れない細かいコブが幾つかあり意外としんどい。
急斜面では木々を掴んで下る場面もあったが腐っている木が多く気を使った。
なんであんなに腐っている木が多いんだろう。

この尾根はシャクナゲがうるさいところもあるがブナが意外と豊富だった。
中には恋人のように寄り添うブナや、すぐ隣に立つ杉の幹に枝を食い込ませているブナがあって面白かった。

ワサビ峠を過ぎて「高岩」「作ノ峰」というパネルのある2つのピークを越すとお金峠に出る。
ここから右手側に下りていく踏み跡を辿っていくと「お金明神」というパネルがあった。
しかしそれらしい岩が見当たらない。
しばらくうろうろしているうちにパネルよりかなり下の杉林の中に塔のような岩が見えた。
あれか!と近づいてみると果してそれが「お金明神」だった。

想像していたよりずっと大きい。
下から見上げると巨大魔人のようにも見える。
この岩をご神体にした気持ちがわかる。
しかしなんで「お金」なんだろう?

お金明神の前の小広場でしばらく休憩。
その後お金明神脇の踏み跡を辿って下っていった。

愛知川沿いの登山道は流れからかなり高いところを通っている。
沢に出たい気もしたがそのまま登山道をヒロイ沢に向かう。
しかし、いい加減高巻くのも嫌になってきて途中から沢へ。
沢は広々として気持ちがいい。
砂利で埋まっている部分が多いので登山靴でも容易に歩けた。

ヒロイ沢の出合からは再び登山道へ。
よく踏まれている歩きやすい道だ。

途中、登山道からVの字の滝が見えた。
高さは6~7mくらいだろうか。
ヒロイ沢にも立派な滝がある事を初めて知った。
登る人もいるのだろうか。

登山道を快適に歩いていると視界の右隅に何か動く気配が。
何かと思ってそちらを見るとなんと狸さんだった。
といっても秋狸さんの事ではなく本物の狸。
こちらに気がつくと彼は一目散に逃げ去っていった。
その足取りの速い事、速い事。
イメージと随分違う。

ここまでの行程で虫以外の生き物に出会ったのはこの狸と蛇一匹、そして猿の群れだった。
鈴鹿にいるのに登山者には全く出会わない静かな旅だ。
しかし流石にハト峰では会うだろうな。

しかしハト峰に着いても他の登山者はいなかった。
今日は珍しく他の登山者を見かけずに下山か、そう思っていると20人くらいの団体が猫岳の方からやってきて賑やかになった。
やっぱりここは鈴鹿だと思って何故かホッとした。

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