0910samondake of 鈴鹿・美濃の山歩き

IMG_0556.JPG大平〜左門岳

2009年10月3日(土)〜4(日)晴れ 奥美濃 大平〜左門岳 山歩き
そばつる Tsutomu

3日
13:00 根尾東谷林道終点 → 14:15 上部の小沢 →
15:05 稜線 → 15:35 大平テン泊地

4日
8:50 大平テン泊地 → 9:55〜10:35 左門岳 → 
11:25 徒渉地点 → 12:00 林道終点



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皮肉な事に全開の青空が広がる。

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左岸の九十九折りの道を登っていく。結構な急登だ。

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作業道が途切れた後は沢を辿っていく。登山靴でも問題無し。

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辿り着いた大平にはいいテントサイトがある。新品のテントを張って宴会準備。

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湿りがちな木はなかなか火がおこらない。それでも何とか焚火らしくして。

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朝陽に照らされた大平の樹林は清々しくて気持ちいい。

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いつまでもこの時間の中で過ごしたい。

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板取川の源流は森の中をサラサラと流れる。

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歩きやすい沢を左門岳目指して歩いていく。

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左門岳山頂からは屏風岳がくっきりと見えた。

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左門岳から登山道を辿って沢に下りた。山旅ももうすぐ終わりだ。

 珍しくそばつると2週連続の山行となった。当初は石徹白の俵谷へテン泊で沢歩きに行く予定だったがそこは流石に龍神様、予定通り順調には行かない。
 前日まで雨続き。出発当日も朝方まで雨の予報で早々と沢へ行くのは諦めた。龍神様は「どうせまた雨が降る」と弱気の発言をしていたのだがその通りになった。しかし、予報では土曜の後半からは晴れ予報。このままどこにも行かないのはもったいないので大平〜左門岳への楽々テン泊山行を提案した。

 急ぐ山行でもないのでゆっくりと大垣を出発。取り付きの根尾東谷林道終点で昼食を摂った。皮肉な事に上空は朝からさわやかな青色を見せている。これなら沢も行けたかもしれない。しかし、行ったら行ったできっと龍神様が何かを引き連れてくるのだろう。
 モノレールの残骸の残る登山道を少し登って行くと二俣に出る。モノレールは間の尾根を直登している。ここから登山道は左俣に行くのだが今回はモノレールの続く尾根に取り付こうと右俣に入った。
 右俣にも明瞭な踏み跡が続く。流れを右に左に渉ってやがて踏み跡は左岸山腹に取り付く。モノレール尾根は右岸側なのだが踏み跡がかなりしっかりしているのでそのままつられるように登っていった。この踏み跡は植林作業道なのだろう。整備されている感じだ。
 上部で右岸側のモノレール尾根に渉っていくんじゃないかという期待があったが作業道は急な山腹を九十九折りにどんどん登っていく。どこまで登っていくんだろうと思い振り返るとモノレール尾根が眼下にあった。しかし今更引き返すわけにも行かずそのまま作業道を辿った。
 作業道が尾根上に出たところでイノシシが2頭上に向かって歩いていくのを見かけた。声をあげると一瞬こちらを振り向いてヤブの中に消えていった。山の中でイノシシを見かけたのは初めてだった。声をあげなければ写真が撮れたかも知れない。残念。
 作業道はしばらくすると尾根の左側の山腹を水平に進んでいくようになる。草が若干被っているものの相変わらずきれいな道で歩きやすい。先ほどまでの急登でヘトヘトになっていたそばつるもこの水平道で息を吹き返したようだ。
 水平道は稜線の十数メートル下を進んでいく。この尾根はモノレール尾根の東側の尾根でモノレール尾根に近い場所に着くようだ。若干距離が長いがこのきれいな作業道があれば問題はない。というかモノレール尾根を登るより良かったかもしれない。どこまで続くのかという問題はあるがまさに瓢箪から駒だ。
 水平道はやがて緩く下り始める。「折角登ったのになんで下るんや!」とそばつるはぼやいていた。気持ちはわからないでもない。最後はモノレール尾根との間の沢に下りて終わった。そこからは小さな流れの沢を登っていく事にした。登山靴だが問題はなさそうだ。
 沢はしばらくは登山道のように歩きやすかったがやがて斜度を増してくると両側から草が覆いかぶさってきて進行を邪魔する。これをかき分けかき分け進んでいったがいい加減うんざりしてきて途中でトップをそばつるにかわってもらった。
 ようやく草薮が薄くなったところで沢は緩く左にカーブしていく。もうそろそろ稜線が近いはずだ。ここから沢を離れ右手の山腹に取り付いた。
 山腹は密度の濃い灌木の激薮だった。南向き斜面のはずだが陽も入り込まない。登るに従って斜度も増しかなりきつい登りとなった。しかしやがて終わりはくる。稜線に登り着いたときそばつるは消耗しきった顔をしていた。前週に続きこの激ヤブコギ。うんざりしているようだ。
 稜線を乗っ越すとそこからは小さな沢が大平の別天地に導いてくれる。沢を辿る事わずかでテン泊予定の台地に出た。ここは9月に銚子洞から登った時、左門岳からの下山時に散策していて見つけた場所だ。ブナの巨木が幾つか立っていて感じがいい。邪魔な灌木等はない。ぬた場が幾つかあり獣の足跡が無数にあった。
 小高い地にテントサイトを決めて設営にかかる。実は今回、そばつるとテントを共同購入してその初使用なのだ。前日に試し張りをしているのでスムーズに張ることができ一夜の城が癒しの森の中に出来上がった。
 陽が落ちるに従って森は色を濃くしていく。その中で焚火をおこす。しかしこの焚火がなかなか難しい。前日までの雨で湿りがちな木が多くともすると火が弱っていく。そばつるがずっと火の面倒を見てくれてなんとか焚火という体裁だけは確保できたが規模は小さい。そんな感じだったが火を囲んで過ごす時間はいつもながら落ち着く。酒を片手に四方山話をしていると知らないうちに時間は過ぎていた。薄曇りの空に浮かぶ中秋の名月の明るさが印象的だった。

 新品のテントで快適な夜を過ごして翌朝はゆっくりと起床。しばらく朝の森の散策をして過ごす。朝の柔らかな空気がとても気持ちいい。木々も優しげに見える。
 テントを片付けてゆっくりの出発。大平の小川のように穏やかな沢を辿って登っていく。
 大平から左門岳を目指すのはこれで3回目だが過去2回は何れも沢を読み間違えて山頂よりかなり東の稜線に出た。それはそれで良かったのだが今回はできれば直で山頂に着きたい。記憶を頼りに慎重に沢を選んで進んでいった。
 途中、沢沿いにゲジゲジが大量発生していた。文字通り足の置き場もない程の密度でかなりの距離に渡ってゲジゲジがうじょうじょしていた。まるでおぞましい虫系のSF映画のようだった。気が弱い人が見たら気絶しそうだ。写真も撮ったが公開はできそうもない。なんでこんなに大量発生しているのだろう。
 やがて何時も過去2回選択を間違えた二俣を過ぎ山頂を目指していく。先に続く沢は思ったよりも歩きやすく、最後の薮も思った程濃くはなかった。
 微妙な違いで三角点広場に直で出るのは逃したもののほぼ山頂に直登ができた。広場の上空は雲一つないさわやかな秋空が広がっている。西に見える屏風山も今日はすっきりと見える。「こんなに晴れ渡った山頂は何時ぶりだろう」そばつるは感慨深げだった。
 下山は南の尾根に続く登山道を下る。稜線上は背の高い笹に覆われて今にも踏み跡が消えてしまうんじゃないかというような有様になっていた。以前は下るとき上大須ダムが見えたと思うがそれもほとんど見えない。前日の作業道の方がよっぽど登山道のようだった。

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