草薮に覆い尽くされた林道跡を行く。コンクリートの橋も草に埋もれかけていた。
林道跡沿いには時折ブナ林が現れて目を楽しませてくれる。
林道終点から二俣に下りる。進んだ左俣は穏やかな沢だ。
左右の山腹にブナ林が続き目を奪われる。
奥に進むに連れて木々が色づいていく。これで晴れていればなあ。
沢の上部で幾つかの滝が現れたが難しいものはない。
6畳程に刈られた三国岳山頂。期待した日差しはこの日ほとんどなかった。
前週に比べかなり色づいた山々。来週あたりが最盛期か。
先週、根洞谷~金ケ丸谷で深く濃い時間を過ごしてもう当分沢はいいかと思ったが天気がいいと聞くとまた行きたい虫が動き出す。
向かった沢は池ノ又谷の支流、大樽尾谷。ここから三国岳に登ろうというもの。
大樽尾谷出合の橋のたもとに車を停め出発。林道跡に入るがこれはすぐに途切れる。最初から沢に下りれば良かったのだ。
沢を歩いていると先に堰堤。ここは右岸の林道跡にのって越える。この辺りからは林道跡も比較的しっかりしている。しっかりしていると言っても廃道で薮は濃いし草も生い茂っている。その中を釣り人のものだろうか、うっすらと踏み跡が続く。
長い林道は2度コンクリートの橋を渡ってようやく終点に着く。濡れた草むらをひたすら漕いできてまだ沢に入っていないのに全身ずぶ濡れだ。
ブナ林の中を沢に向かって下っていくとちょうど二俣に下りる。この二俣は左に進んでいく。
沢は穏やかな感じだ。狭い沢だが両岸をすばらしい樹林帯が覆い見飽きない。というか見とれてしまって立ち止まる事しばしば。時間がかかってしょうがない。これで晴れていてバックが青ければ最高なのだが先ほどから空は雲に覆い尽くされている。
滝といったものは全くと言っていい程ない。退屈といえば退屈な沢かもしれないがこんな沢もいい。先週の根洞谷、金ケ丸谷とは規模からいっても比較にならないがそれでもブナ主体の樹林は上部に行くにつれ紅葉が進み目を楽しませてくれる。
沢が北に向かうようになり斜度が若干増してくると黒い岩肌の小滝が幾つか現れる。中には8m程の斜瀑もあったが難なく越えられる。山頂近くになっても傾斜はそれほど強くならず歩きやすい。最後は笹ケ峰の山頂を思わせるような笹薮を漕いで山頂広場に出た。
山頂は最近刈られたようで6畳程の広さがあった。そこに腰を下ろして乾杯。しかし空は曇り空。その内雨さえ落ちてきた。龍神様が僕に乗り移ったのだろうか。
下山は旧夜叉ケ池登山道をと思ったがこの時間と天気では無理と判断。夜叉ケ池経由で下山した。三国岳から夜叉ケ丸までは濡れた笹をかき分けて進まなければならず再び全身ずぶ濡れとなった。沢歩きなのに沢ではほとんど濡れず林道跡と登山道でずぶ濡れになるというおかしな山行だった。